冬季間にコンクリート工事を行ったところ、コンクリートが硬化する前に凍結してしまった(初期凍害を受けた)ように思われるが、
- コンクリートが初期凍害を受けたのか否かを判別する方法
- 初期凍害を受けた場合にどのような問題があるか
- 初期凍害を受けたコンクリートのその後の対処
これらについて教えていただければ幸いです。
コンクリートが硬化する前に低温に晒され、コンクリート自体の温度が-2℃程度まで低下してしまうとコンクリート中の水分が凍結し、セメントとの水和反応が阻害される事で十分に強度が増進しません。この現象を初期凍害と呼びます。
初期凍害を受けたコンクリートは、表面に華が咲いたような凍結模様が浮かび上がったり、表面が黒ずんで水っぽく乾燥しない状態が長く続いたりという特徴が見られます。
2.初期凍害を受けた場合にどのような問題があるか?
初期凍害を受けたコンクリートは、セメントとの反応に必要な水分が凍結によって奪われるなどして健全なコンクリートと比べて十分な強度を発揮しません。
また、凍結を受けたコンクリートは、組織自体も疎で水分が浸透しやすいため、更なる凍結作用で表面が剥がれたり、内部の鉄筋を劣化させる因子(炭酸ガス、酸素、塩分)などが浸透しやすいなど耐久性に劣るものになります。
3.初期凍害を受けたコンクリートのその後の対処は?
初期凍害にも程度があります。表面に凍結模様が浮かんではいるが、コンクリートの黒ずみや水っぽさなどが無い場合は、凍結の及んだ範囲はごく表面のみで軽微な被害です。
そのような場合は、表面数mmを除去してセメント系補修材で修復する事で耐久性状問題は無いでしょう。
コンクリート表面が大きな範囲で黒ずんだり、尖ったもので突くと内部まで掘れてしまうような状態は、かなり深くまで凍結が及んだ証拠です。
このような場合は、脆弱な部分はすべて取り除いて断面修復材で修復するか、コンクリートを打ち直す判断が必要でしょう。