炭素繊維を用いたコンクリート

 

炭素繊維は、アクリル繊維や石油、石炭、コールタールなどのピッチを原料に高温で、炭化して作った繊維です。

身近なところでは、ゴルフのシャフトや釣り竿などに使用されています。

炭素繊維は、それだけで用いることが少なく、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)など複合材料として用います。

特徴は、軽くて強いことが挙げられますが、加工やリサイクルが困難な材料です。

この炭素繊維とコンクリートの組み合わせについて説明します。

1. 炭素繊維のいろいろな使い方

炭素繊維はいろいろな形でコンクリートに使用しています。

長さ数ミリから十数ミリに切断した短繊維をコンクリートに混ぜる炭素繊維補強コンクリート、炭素繊維をシート状(CFRP)にして、コンクリートに巻き付ける炭素繊維シートなどがあります。

1-1. 炭素繊維補強コンクリート

コンクリートは、圧縮に強く、引っ張りに弱い構造部材です。そのため引っ張りの弱点を補うため、コンクリートの中に鉄筋を入れます。

それでも引っ張り力が生じた場合には、コンクリートにひび割れが生じます。

この問題を改善するため、コンクリートに炭素繊維を練り混ぜ、靭性を高めたものが炭素繊維補強コンクリートになります。

現在では、コンクリート二次製品、トンネル、道路の舗装など建築や土木の分野で広く利用されています。

炭素繊維は、長さ数ミリから十数ミリに切断した短繊維を使用します。

ちなみに繊維補強コンクリートの材料には、炭素繊維の他に「鋼繊維」「ガラス繊維」及び「有機系繊維」などがあります。

1-2. 炭素繊維シート

炭素繊維を強化材に用いた強化補強プラスチックいわゆるCFRPと呼ばれる材料があります。

Carbon Fiber(炭素繊維)、Reinfoced(強化)、Plastics(合成樹脂)の略で炭素繊維補強プラスチックを意味します。

炭素繊維は、腐らなくて錆びない材料で、軽くて強いという特徴があります。

この炭素繊維を一方向または二方向に配列したシートが炭素繊維シートになります。

炭素繊維シートをコンクリートの柱や梁に巻き付けることで、せん断耐力、曲げ耐力、疲労寿命を向上させ、ひび割れ抑制にも効果があります。

2. まとめ

炭素繊維の長所は、軽くて、強くて、錆びなくて、腐らないという点です。

鉄と比較すると比重は、約1/4、比強度で約10倍、比弾性率が約7倍と高く、それ以外にも耐摩耗性、耐熱性、熱伸縮性、耐酸性、電気伝導性に優れています。

これに対して短所は、加工の難しさや製造コストの高さ、リサイクルの難しさが挙げられます。

素材自体も、材料特性に異方性を持ち、どのような方向で積層をするかが重要な点です。

このような炭素繊維をコンクリートに用いることで、コンクリートの弱点である引っ張りに対して、粘りあるコンクリートとすることができます。