スタンプコンクリート|特徴や施工後などの基礎知識を解説

私たちが街中を歩くとレンガ調の壁や木目調の床など様々なデザインの外構を目にすることがあります。

レンガの場合は驚きもそれほど大きくはないかもしれませんが、遊歩道などで明らかにコンクリートのような歩き心地なのに表面が木目調であると、「あれ?」と感じることがあるでしょう。

それはもしかしたら『スタンプコンクリート』かもしれません。

この記事ではスタンプコンクリートについて理解を深めていただくために、基本的な概要と施工の費用など、全般的な情報をお伝えいたします。

Basilisk
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1. スタンプコンクリートとは

一般的な工法と呼べるまでは浸透していないかもしれませんが、スタンプコンクリートは日本国内でも施工実績のある工法です。

コンクリートを床面に打込み、硬化前の軟らかい段階で模様のついた型を押し付けて模様を転写し、表面にある程度の凹凸のある模様を施す工法になります。

アメリカ発祥のこの工法はタイルやレンガ、木目など様々な模様を施すことが可能でデザイン性に優れ、ニーズに合わせた景観やイメージを創り出すことができ、現在多くの国で使用されています。

模様のついたコンクリートですが、現場で施工するので、工場で大量生産する製品と異なります。施工も容易であることから商業施設や遊歩道、集合住宅のエントランスなどに利用されています。

1-1. スタンプコンクリートの特徴

ここではその特徴を紹介したいと思います。

デザイン性

スタンプコンクリートの一番の特徴は卓越したデザイン性です。

コンクリートが軟らかいうちに施工を施すので、自然な風合いの模様をそのまま創り出すことが可能です。

通常のパターンとカラーバリエーションを組み合わせることで多くの種類の模様を創れますが、オーダーメイドのデザインも可能です。

メーカーにもよりますが1万種類以上のパターンを持っているメーカーも存在します。

耐久性とメンテナンス

スタンプコンクリートはレンガやタイルと異なり、下地はコンクリートの床面になっているため、がたつきや段差がありません。

また目地から雑草が生えてくる心配も無いとされています。メンテンスも容易で商業施設や歩道の舗装材としても効果を発揮します。

安くて早い

スタンプコンクリートはコンクリートの打設と同時に施工します。

冬場はコンクリートの硬化が遅くなるため、夏場と比べると時間がかかりますが、作業時間を短縮することで安価な施工が可能となっています。

※面積や数量によって変動はあります。

2. スタンプコンクリートの施工方法と費用

施工方法は業者によってノウハウや特徴が見られるかもしれませんが、ここでは一般的なスタンプコンクリートの施工方法を紹介します。

コンクリートを打設します。勾配等に注意し平滑に仕上げます。使用するコンクリートの呼び強度やスランプは気象条件や現場状況に合わせて選定します。

コンクリートの浮き水が引いた段階でカラー粉末を散布します。このカラーが基本色となります。

ある程度硬化するとスタンプマットを敷いて型押しし、模様をつけていきます。下地のコンクリートがどの程度硬化しているかによって、叩く強さを加減します。

リリースオイルカラーを散布します。目地や模様の凹み部分に流れ込み、自然な陰影を創り出すカラーになります。

養生した後、余分なカラーを取り除くために洗浄します。この段階で補修や調整が必要な場合は手を加えます。

洗浄水が乾燥したら仕上げに保護材を散布します。乾燥すると完成です。メンテナンスとして、この保護材を3~5年ごとに塗りなおすとスタンプコンクリートが長持ちします。

2-1.  スタンプコンクリートの施工費用

スタンプコンクリートの施工費用について簡単に紹介します。施工方法でも説明した通り業者によって作業内容や使用する材料や機械が異なるため、施工費用に関しても業者によって違いが出てきます。一般的な費用を検索しても業者によって見解が異なり、その費用には幅があります。一般的な費用というものをこの場で述べる事は難しいのですが、一例として紹介させていただきます。

まず、スタンプコンクリートの施工単価は平米当りの価格で表示されます。施工面積が大きければ大きいほど平米当りの費用は低くなります。そのため、あるケースでは平米当り8千円で別なケースでは平米当り1万円という事も起こり得るのです。

ここで注意が必要なのはこの価格はあくまでもスタンプコンクリートのみの施工価格です。土の削り取りや残土処理・下地のコンクリートの費用などの基本工事にオプションとしてスタンプコンクリートの施工価格が上乗せになることに注意してください。

スタンプコンクリートを検討されている方は恐らく犬走りやアプローチ部、駐車場などの外構部分に使用されることがほとんどであるかと思われます。段差の有無や施工箇所の形状によって作業効率が変わるため、施工価格も変わるかと思われますが、基本工事とスタンプコンクリートの施工を合わせて10平米で18~22万円程度と考えて良いかと思われます。

また複数の業者から相見積もりをとり、作業内容や価格を検討することをお勧めします。

※3-3 色落ち・劣化の項にも関連事項があります。

3. スタンプコンクリートの劣化を防ぎ、状態を維持するために

スタンプコンクリートを検討されている方や、興味を持たれた方はスタンプコンクリートできれいに施工した舗装面などはどれくらいの年数使用できるのか疑問に思うと思います。

どのような手入れが必要なのかも気になるところですよね。

ここでは、メンテナンス方法や長期的に何年使用できるのかを説明します。

3-1. 日常のメンテナンス

スタンプコンクリートは施工直後より、施工から1ヶ月程度経った頃に色合いが馴染み落ち着いてくるとされています。

多少の汚れやほこりなどがコンクリートの隙間に入り込むことと、施工から時間が経つにつれ水分が抜けることで色合いが安定します。

施工直後から見ると色褪せに見えるかもしれませんが、顔料はペンキなどの塗装と異なり著しく色が抜けることはありません。

安定後は特に気にすることも無いのですが、大きなゴミや砂がある場合は水洗いする程度で十分とされています。このことから日常のメンテナンスもほぼ不要と言っても問題ないでしょう。

3-2. スタンプコンクリートの長期的変化

スタンプコンクリートに関して、日常のメンテナンスはほぼ不要と書きましたが、経年劣化が生じるため永久に施工直後の状態を保つことはできません。

人の通行やすり減りによる劣化はほとんど考慮しなくても良い程度とされていますが、風雨による影響や使用環境による劣化は普通のコンクリートと同じと考えて良いでしょう。

スタンプコンクリートは施工時に表面をコーティング処理しており、これによって雨水の浸透を防いでいます。

使用環境にもよりますが3~5年を目安にこのコーティングを再処理することで一般的なコンクリートと同程度以上の寿命を確保することができます。

またコンクリートの性質上、ひび割れを完全に抑制することは困難ですが使用上全く問題ないレベルでの施工は可能です。

施工面積が広い場合は一つ一つの面積を小さく分割する事で発生するひび割れを最小限に抑えられます。

3-3. スタンプコンクリートの色落ちと劣化

スタンプコンクリートそのものはデザイン性も高く、DIYやガーデニングでも注目されてきているようですが、メンテナンスを適切に行わない場合や適切な施工が施されなかった場合に色落ちが生じることがあります。

デザインを重視した工法であるにも関わらず一部が大きく色落ちしたり、全体的に色が抜けてしまうと色ムラや下地が見えてしまうなどの問題が生じます。屋根がかかっていて雨が直接当たらない場所にも関わらず、5年以内で激しい色落ちが生じたり、自宅の駐車場でタイヤと接する部分だけが色落ちして色ムラが目立つなどの例もあったようです。

こうした事を防ぐ意味でも、適切な施工やメンテナンスは必要不可欠です。施工業者を選ぶ際には施工価格だけでは無く、候補の業者が数年前に施工したスタンプコンクリートを見せてもらったり、どのようなメンテナンスをしているのか、メンテナンスの費用はどのくらいになるかなど、施工後のコストなどもトータルで考える必要があります。

4. スタンプコンクリートのメリット・デメリット

これまでの説明をふまえてメリットとデメリットをまとめます。

4-1. メリット

材料費が安い

比較する工法にもよりますが、メインの材料はコンクリートになるので、レンガなどの材料と比べると材料費が安くなることがあります。また施工面積が大きくなるほどこの傾向は強くなります。

工期の短縮

レンガやタイルと比べると下地の処理が不要なため工期を短縮できます。このため、作業日数が少なくなり他の工法よりも人件費などが安くなるケースもあります。

デザイン性

スタンプコンクリートの一番のメリットはやはり高いデザイン性です。デザインのみならずカラーバリエーションも豊富なので、デザインとカラーの組み合わせで豊富なパターンを創り出せます。

4-2. デメリット

全てが業者次第

業者によって施工実績や技術が異なり、施工価格の設定にも差があります。施工価格が高くても、メンテナンス費用が低い場合もあるのでトータルコストを考える必要があります。

色落ちなどの劣化

場合によっては激しい色落ちが生じます。適切な施工とメンテナンスが必要です。激しい色落ちが生じた場合、補修不可能となるケースもあるようです。こうしたことから施工実績が多い信頼できる業者を選ぶこともお勧めします。

5. 【まとめ】今後も注目のスタンプコンクリート

ここまでスタンプコンクリートについて説明しました。一般的な工法と言えるまでは認知度は高くないかもしれませんが、施工実績も多く、その景観はコンクリートでありながら見事に周囲に調和しています。

インターネットで検索するとその施工例を写真で確認して頂けるかと思いますが、その高いデザイン性は今後より一層注目されることと思われます。

施工業者や職人によって個性が出るので、既製品のように全く同じものが出来上がることは少ないかもしれません。

これをデメリットと考える方もいるようですが、むしろ同じものが世の中に一つもないのだと考えると、芸術的要素も含んでいるようにも思えます。

外構工事には様々な工法があり、スタンプコンクリートもその一つであると考えますが、メリットがある反面、デメリットがある事を知ってもらいたいと思い、今回この記事を書かせていただきました。

個人住宅での施工例もございますので、リフォームや景観の改善などを検討されている方は取り扱い業者に問い合わせやインターネットで「スタンプコンクリート」と検索してみてください。

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コメント一覧
  1. 吉ヶ島勝良、現副理事 より:

    当マンションのエントランスタイルが浮き、割れ等が発生していて、全体を養生する事を考えていましたが、ある建設会社の見立てでは、地下のピットから水分が上がり、タイルを押し上げている、と考えられる。従って、浮いたり、割れたりしている箇所だけ養生する方法が、良好な30cm角タイルは生かして、完成させた方がSDG’sの観点からも良い!とアドバイスされました。更に、全体を養生shても、又、時間経過で、浮きが出て、現状のような環境になると予測されると断言されました。しかし、理事の一人、建設関係の専門家から、この「スタンプ・コンクリート」なら、ピットからの水分吹きあがりにも、耐えて、長期的に維持管理管理できると、アドバイスされました。前述の工事費は約70萬円弱です。その理事談:30~40万円繰りでは?とのことです。当期管理組合では予算は270万確保しております。現場見分は平日ならいつでも対応できます。吉ケ島

  2. 久保田エクステリア 久保田美優 より:

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