打ちっ放しコンクリートの高級感を保つメンテナンス方法

打ちっ放しコンクリートの住宅は、オシャレで高級感があることが特徴で、これを好む方も多くおります。しかし、その美観を長く保つのは難しく、メンテナンスの方法も専門知識が無いと分かりません。今回は、打ちっ放しコンクリートのメンテナンスの必要性から、その補修方法やメンテナンス周期などをお伝えします。

1. 打ちっ放しコンクリートにメンテナンスが必要な理由

鉄筋コンクリートの表面の仕上げは、型枠にコンクリートを打設して強度が発現したことを確認して型枠を外し、塗装やタイル・石材などで表面を覆い仕上げるのが一般的です。打ちっ放しコンクリートは、それらの表面仕上げを行わず、型枠を外した状態のままコンクリートの地肌が出ているものを言います。

また、打ちっ放しコンクリートの住宅は、意匠性としてコンクリート独特の素材感がでてデザイン性に優れており、オシャレな外観や空間をつくることができる為、人気を集めています。

一方で、表面仕上げというコンクリートを保護する層が無い為、風雨等により表面仕上げを行っているものに比べて経年劣化の進行は比較的早くなります。デザインとしてシンプルなものが多いため、雨染みやひび割れが目立ちやすいというデメリットも打ちっ放しコンクリと住宅の特徴でもあります。

よって、打ちっ放しコンクリート表面に対する塗装などによるメンテナンスが重要になってくるのです。定期的なメンテナンスを行うことで、長く美しい美観を保つことができるのです。

2. 打ちっ放しコンクリートの主な劣化症状

2-1. ひび割れの発生

打ちっ放しコンクリートに限らずですが、劣化症状の代表的な例としてひび割れの発生があります。ひび割れの要因としては、乾燥収縮、凍結融解、中性化、地盤沈下、施工不良によるものなどさまざまあり、その要因に適した補修が必要ですが、一般的に多いのは構造上問題の無い乾燥収縮ひび割れです。乾燥収縮ひび割れは、構造上問題が無いと言っても打ちっ放しコンクリートには大いに問題があります。ひび割れ自体も気になりますし、ひび割れに雨水が浸透して雨染みになると美観が損なう大きな原因になるからです。

2-2. カビの発生

カビは、コンクリート表面の水分によって発生します。打ちっ放しコンクリートは、表面仕上げがありませんので、日当たりが悪く、風通しが悪いところでは、コンクリート表面が乾燥しにくくカビが繁殖しやすいといえます。また、コンクリートが経年により中性化してph(ペーハー)が下がってアルカリ性が弱くなるとカビが生えやすい状態になります。建物が古くなってくると要注意です。

2-3. 経年劣化による表面の荒れ

打ちっ放しコンクリートは、表面仕上げをしていない分、長く風雨にさらされていると外部からの衝撃により欠けやキズが付きやすくなります。さらにコンクリートは、長年外気に触れていると空気中の二酸化炭素と水酸化カルシウムが反応して炭酸化という現象が起こり、アルカリ性が弱くなり、中性化が進みます。鉄筋コンクリートの中性化が進行すると、内部の鉄筋が錆びて膨張し、その影響によりコンクリート表面にひび割れが発生します。ひどくなるとコンクリート表面のはく離やはく落といったダメージの大きい症状になることがあります。

3. 打ちっ放しコンクリートに必要なメンテナンス・塗装方法とは

3-1. 撥水剤の塗布

撥水剤は、耐水性を高める効果があります。また、無色透明の為、雨染みを防ぐ効果とともにコンクリートの質感を維持することができます。施工工程は、高圧洗浄のあと撥水剤を塗布するだけと非常に簡易にできるのでメンテナンスコストを低く抑えられますが、透明なために洗浄後の下地に色むらなどが残った場合には、それを隠す効果はありません。

3-2. 弾性塗料の塗装

弾性塗料は、伸縮性に優れていて、乾燥収縮などによるひび割れが発生しても追随してクラックを見せなくすることができます。さらに、乾燥収縮ひび割れの様に構造上問題ないひび割れは隠してくれますが、構造ひび割れの様に危険性のある場合は塗料が裂けてひび割れが確認できますので、安心です。弾性塗料は、着色があるのでコンクリートの質感は損なわれてしまいますが、ひび割れを起こしている住宅にはお勧めです。

3-3. カラークリヤー工法

カラークリヤー工法は、若干色が付いた仕上がりになります。高圧洗浄を行った後、耐水性を高める撥水剤を塗布し、その上に表面保護をするクリヤーを塗装する方法です。若干の着色がありますが、コンクリートの素材感は残せて、下地の色むらや濡れ色などを防止できます。さらに防水性が高い為、コンクリートの中性化の抑制やコンクリート内部の鉄筋防錆に効果があります。撥水剤のみの施工よりコストは上がりますが、コンクリートの保護性能が高い為、耐久性を向上させたい方にはお勧めです。

3-4. 打ちっ放しコンクリートの再現工法(光触媒塗料、フッ素系塗料)

この工法は、その他の方法と違い、塗装でコンクリートの風合いを描く為、下地に左右されずに均一な打ちっ放しコンクリートの外壁を再現することができます。施工方法は、高圧洗浄をした後に撥水剤の塗布をして、経年劣化で荒れた表面を補修したあとに塗料によりコンクリートの風合いを出します。

さらに光触媒コーティングとコンクリート風の塗装を一緒に行う工法もあります。光触媒コーティングは、汚れが付きにくくなり、カビの防止、遮熱効果などがあります。それに耐久性の高いフッ素系塗料を合わせることで、耐久年数を伸ばすことができます。施工には技術が必要で施工ができる業者も限られていてコストは高くなりますが、コンクリートの美観を取り戻して、耐久性を上げたい方には、お勧めです。

3. 打ちっ放しコンクリートに必要なメンテナンス周期と目安の費用

紹介したそれぞれの工法の耐用年数と費用の目安は下記の通りです。

 

工法名

耐用年数

目安の費用

撥水剤の塗布

3~7年

約1,500円/㎡

弾性塗料の塗布

6~15年

約2,700円/㎡

カラークリヤー工法

5~10年

約3,500円/㎡

打ちっ放しコンクリート再現工法

5~15年

約5,000円/㎡

理想の塗装周期は、6~7年となりますが、劣化状況や選ぶ工法によって10年程度を目安のメンテナンス周期とするのが望ましいでしょう。

4. まとめ

打ちっ放しコンクリート住宅は、オシャレで高級感がありますが、それを保つためにはメンテナンスが重要です。コンクリートの素材感が命の打ちっ放しコンクリートですので、劣化による損傷などが目立ってしまっては台無しになります。メンテナンスは、コンクリートの劣化状況をよく見極めて、適した工法で補修、塗装を行いましょう。そして、メンテナンス周期を知っておき、定期的にメンテナンスを計画しておくことが、長く美しい美観とコンクリートの風合いを保つ秘訣になります。打ちっ放しコンクリートの住宅にお住まいの方、購入を計画している方の語参考になれば幸いです。