コンクリートの物性値一覧(単位体積重量、ヤング係数、ポアソン比など)

コンクリートの一般的な特性値を代表的な参考図書より、主に以下の特性値について、紹介します。

○単位体積重量(kN/m3)

物質にかかる単位体積当たりの重量。

○ヤング係数(N/㎜2)

弾性範囲における同軸方向のひずみと応力の比例定数。

○ポアソン比

物体に縦の方向の伸びあるいは縮みが起こるとき、横の方向には反対の変形すなわち縮みあるいは伸びが起こる。その縦ひずみ度と横ひずみ度の比で、材料によって一定である。

※ヤング係数及びポアソン比試験

ヤング係数の測定は、ワイヤーストレインゲージを貼付し、コンクリート供試体の圧縮強度試験を行なう。

 

○線膨張係数(熱膨張率)(1/℃)

単位温度変化に対する長さ変化率。

Basilisk
Basilisk

【 鉄筋コンクリート構造計算基準・同解説 】日本建築学会

コンクリートの定数

・ヤング係数  3.35×104×(r/24)2×(Fc/60)1/3  (N/㎜2)

・ポアソン比  0.2

・線膨張係数  1×10-5  (1/℃) ※鋼材と同じ値である。

※r:コンクリートの気乾単位体積重量(kN/m3)

Fc:コンクリートの設計基準強度(N/㎜2)

鉄筋コンクリートの単位体積重量

・普通コンクリート

Fc≦36     24.0(kN/m3)

36<Fc≦48   24.5(kN/m3)

48<Fc≦60   25.0(kN/m3)

・軽量コンクリート1種

Fc≦27     20.0(kN/m3)

27<Fc≦36   22.0(kN/m3)

・軽量コンクリート2種

Fc≦27     18.0(kN/m3)

【 道路橋示方書・同解説 】日本道路協会

単位体積重量

・コンクリート         23.0(kN/m3)

・鉄筋コンクリート       24.5(kN/m3)

・プレストレストコンクリート  24.5(kN/m3)

・セメントモルタル       21.0(kN/m3)

コンクリートのヤング係数

・コンクリート

設計基準強度21(N/㎜2)  2.35×104(N/㎜2)

設計基準強度24(N/㎜2)  2.50×104(N/㎜2)

設計基準強度27(N/㎜2)  2.65×104(N/㎜2)

設計基準強度30(N/㎜2)  2.80×104(N/㎜2)

設計基準強度40(N/㎜2)  3.10×104(N/㎜2)

設計基準強度50(N/㎜2)  3.30×104(N/㎜2)

設計基準強度60(N/㎜2)  3.50×104(N/㎜2)

設計基準強度70(N/㎜2)  3.70×104(N/㎜2)

設計基準強度80(N/㎜2)  3.80×104(N/㎜2)

・PHC杭のコンクリート   4.00×104(N/㎜2)

・SC杭のコンクリート   3.50×104(N/㎜2)

ポアソン比

・ポアソン比  1/6

【 コンクリート標準示方書 】土木学会

単位体積重量

・コンクリート         22.5~23.0(kN/m3)

・鉄筋コンクリート       24.0~24.5(kN/m3)

・プレストレストコンクリート  24.5(kN/m3)

・セメントモルタル       21.0(kN/m3)

コンクリートのヤング係数

・普通コンクリート

設計基準強度18(N/㎜2)  22(kN/㎜2)

設計基準強度24(N/㎜2)  25(kN/㎜2)

設計基準強度30(N/㎜2)  28(kN/㎜2)

設計基準強度40(N/㎜2)  31(kN/㎜2)

設計基準強度50(N/㎜2)  33(kN/㎜2)

設計基準強度60(N/㎜2)  35(kN/㎜2)

設計基準強度70(N/㎜2)  37(kN/㎜2)

設計基準強度80(N/㎜2)  38(kN/㎜2)

・軽量骨材コンクリート (※骨材を全部軽量骨材とした場合)

設計基準強度18(N/㎜2)  13(kN/㎜2)

設計基準強度24(N/㎜2)  15(kN/㎜2)

設計基準強度30(N/㎜2)  16(kN/㎜2)

設計基準強度40(N/㎜2)  19(kN/㎜2)

ポアソン比

弾性範囲内では、0.2

ただし、引張を受け、ひび割れを許容する場合は0

熱特性

・コンクリートの熱膨張係数  10×10-6(1/℃)

・コンクリートの熱的特性

熱伝導率  9.2(kJ/mh℃)

比熱    1.05(kJ/kg℃)

熱拡散率  0.003(m2/h)

【 新 建築土木構造マニュアル 】理工学社

材料の諸係数

・ヤング係数

普通コンクリート  3.35×104×(r/24)2×(Fc/60)1/3  (N/㎜2)

軽量コンクリート  2.10×104×(r/23)1.5×(Fc/20)1/2  (N/㎜2)

・せん断弾性係数   E/24(N/㎜2)

・ポアソン比     0.2

・線膨張係数     1×10-5 (1/℃)

・比重

普通コンクリート 2.3~2.4

軽量コンクリート 1.55~2.1

※r:コンクリートの単位容積重量(kN/m3)

Fc:コンクリートの設計基準強度(N/㎜2)

鉄筋コンクリートの単位重量

・普通コンクリート

Fc≦36     24.0(kN/m3)

36<Fc≦48   24.5(kN/m3)

48<Fc≦60   25.0(kN/m3)

・軽量コンクリート1種

Fc≦27     20.0(kN/m3)

27<Fc≦36   22.0(kN/m3)

・軽量コンクリート2種

Fc≦27     18.0(kN/m3)

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コメント一覧
  1. 村上幾郎 より:

    生コンには、何故空気を入れるのですか?

    • CMCスタッフ 酒井 より:

      この度は、「コンクリートメディカルセンター」へご質問を頂き誠にありがとうございました。
      それでは、村上様からのご質問にお答え致します。

      生コンに空気を入れなければならない理由は大きく二つあります。

      ①生コンに入れる空気は、25~250µmという非常に小さい気泡です。
       小さい気泡である為、硬化したコンクリート内にも壊れず残りやすいという性質があります。
       シャボン玉も小さいものほど、なかなか壊れないことを想定して頂ければ良いと思います。
       また、ひとつひとつの気泡の形状が丸い為、ボールベアリング効果が働き生コンクリートの動きやすさが
       向上します。
       これにより、コンクリートに使用する水の量を減らすことが出来ることから、コンクリートの寿命は延び
       長持ちするのです。

      ②固まった後のコンクリート内部には、長期間水分が残っています。
       寒冷地ではコンクリート内で、この水分が凍結する為に起こる膨張と融解(これを凍結融解作用と言います)
      を繰り返しコンクリートに大きなダメージを与え、やがては破壊につながる事があります。
      コンクリート内に無数の空気の気泡があると、凍結により膨張した時に気泡が潰れることで、直接のダメー
      ジを軽減することが出来ます。

       当然空気を入れる事によるデメリットもあり、規定の量以上の空気量が入ると、強度低下という危険や乾燥
       してひび割れが入る確率が大きくなる為、コンクリートの日本産業規格(JIS A 5308)では、3.0%~6.0%とい
      う規格により、一般的なコンクリートはこの値から外れたコンクリートは使用できません。

       以上簡単ですが、生コンに空気を入れる理由についてご説明させて頂きました。
       今後とも「コンクリートメディカルセンター」を宜しくお願い致します。

  2. 丸山勝弘 より:

    PC構造物、例えばPC桁 の静弾性係数(ヤング係数)は、コンクリート材料の弾性係数よりも大きいと思われますが、求める基準等はあるのでしょうか。梁のたわみ計算、固有振動数の算定でEが必要ですが、コンクリートだけの弾性係数(σck=400kg/cm2の場合、E=310,000kg/cm2 )を使っても合わないようです。プレストレスの効果をどのように評価すればよいのか教えてください。

    • CMCメンバー:青木 より:

      この度は、「コンクリートメディカルセンター」へご質問を頂き誠にありがとうございました。
      丸山様のご質問ですが、梁のたわみ計算に用いるコンクリートのE(ヤング係数(弾性係数))は、コンクリートのみのEを使用するのが一般的かと思います。
      鋼材が組み込まれいるPC部材のEは基準等で示されていません。
      コンクリートのEは、強度により計算式で求め、その数値を使用するのが一般的ですが、コンクリートの構成材料である骨材の材質(特に粗骨材)によって数値が変わります。
      本来であれば、使用するコンクリートでヤング係数試験を行い、その値でたわみ等を計算するのがベストと考えます。

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