ボックスカルバートのひび割れ

ボックスカルバートとは、コンクリートで出来た箱型のトンネル上構造で、地下道や下水・排水など多岐にわたって活用されています。

ボックスカルバートもコンクリート製である以上ひび割れとは切っても切れない関係にあります。ここではボックスカルバートに生じやすいひび割れの特徴と原因について解説します。

1.  ボックスカルバートの役割

ボックスカルバートとは、道路の下を横断させて人や車を通行させたり、水路として機能したり、通信線等の収容など各種の用途に使用する構造物のことを指します。日本語では、「箱型の暗渠(あんきょ)」や「函渠(かんきょ)」といいます。

場所打ち鉄筋コンクリートやプレキャスト製品などで構築され、特に工期短縮のためにはプレキャスト製品が多く使われます。

直接軟らかい土の上に築造することがあるため、ボックスカルバート自体の重量やそれにかかる荷重のため沈下を起こすことがあるが、いろいろな基礎工法で沈下を防止することができます。

2.  ひび割れの種類と原因

ボックスカルバートのひび割れは構造物の耐久性に大きな影響を与えます。

ひび割れは適切な方法で補修を行う必要があります、誤った判断で補修を行うと再びひび割れが発生する可能性があるだけではなく、ボックスカルバートの状態が悪くなっている事に気づかないことがあります。

そのため、コンクリート診断士等の専門家による、ひび割れの発生原因や補修に関する検討が必要となります。今回は、様々なひび割れの原因についてご紹介します。

2-1. 温度ひび割れ

コンクリート打込み後、水和熱により温度が上昇し、その後外気温に近づくように温度が下ってくる。

このコンクリート温度上昇時及び下降時において生じる、コンクリートの変形が拘束された場合にひび割れが発生することがある。

このひび割れを温度ひび割れという。

発生時期はコンクリート打設から数日後に発生する場合が多い。

2-2. 乾燥収縮によるひび割れ

コンクリート表面部から発生する。風通しがよく乾燥の受けやすい箇所で発生しやすい。

発生時期はコンクリート打設から数10日以上経過後に発生するものが多い。

2-3. 沈みひび割れ(沈降ひび割れ)

ブリーディングが原因で生じる。そのため、打ち込みからコンクリートの硬化するまでの間に発生する。

また断面の異なる部分に連続して打込む場合、沈下の程度の差によって発生する。

主に

  • 側面の型枠セパレータコーン下にV字型の形状で発生。
  • 頂版構造においては鉄筋に沿った形で発生。

また側壁から頂版など断面の変わる境界面に発生します。

2-4. 不適切な打ち重ねによるひび割れ

コンクリートの打重ねが適切でなかったことで生じるひび割れで、コンクリート打重ね部に発生します。

打重ねた箇所に沿って、水平方向に発生します。

3. ボックスカルバートのひび割れの特徴と原因

3-1. 特徴

頂版下面の端部から軸方向(延長方向)に伸展するものや、頂版下面、ハンチの軸直角方向(断面方向)に伸展するもの等もある。

場所打ち鉄筋コンクリートの場合、底版に打ち継いだ側壁底部、ハンチから鉛直方向(断面方向)に伸展するものが多くある。

3-2. 原因

軸方向(延長方向)に伸展するものについては軟弱地盤が原因による不同沈下や、盛土施工手順が原因により偏った圧力が影響で起こるひび割れが多いです。

軸直角方向(断面方向)に伸展するものについては温度ひび割れや乾燥収縮によるひび割れが多いです。

またボックスカルバートの内側は風通しがよく乾燥の影響を受けやすいため、乾燥収縮によるひび割れが生じやすいです。

場所打ち鉄筋コンクリートの場合、底版打設後、側壁、頂版と順番に構築するため。

側壁については底版の、頂版については側壁の外部拘束による温度ひび割れや乾燥収縮ひび割れが多いです。

4. ひび割れ以外の劣化

4-1. コンクリートの浮き、剥離

施工初期にできた欠陥が供用中の振動や変形等によりそれらの欠陥どうしが連続することによって、表面のコンクリートが内部のコンクリートと一体性を失いつつある状態でもあります。

これらがさらに進行すると、剥離が発生します。

その結果、コンクリートが剥がれ通行人にあたるなど第三者への被害が発生する可能性もあります。

5.  まとめ

ボックスカルバートに発生したひび割れは、コンクリートの劣化を進行させるだけではなく、ひび割れ箇所から湿気や雨などの水分が影響し、コンクリート内の鉄筋がさび付いてしまいます。

さびは鉄筋などの金属を膨張させますので、ひび割れを悪化させてしまいます。

よってそのままひび割れを放置すると防水性や耐久性が低くなり、ボックスカルバートの寿命がどんどん短くなります。

地震で損壊する危険性が増し、道路が陥没するなど重大な事故につながる可能性あります。

早期発見であれば簡単なひび割れ補修で対処できます、対処が遅れますと大規模な工事を伴うボックスカルバートの布設替えを行わなければならないこともあります。

ひび割れの他、ボックスカルバートに気になるものを発見した場合、速やかにコンクリートの専門家へご連絡下さい。