外壁にできたひび割れをコーキングで補修する方法

外壁にできたひび割れを補修する方法の1つがコーキング(シーリング)です。今回は、住まいの修理やDIYで役立つコーキングの種類と選び方、補修の手順について解説します。

1. コーキングとは

コーキング(Caukling)とは、住宅やビルなどの建築物の気密性や防水性を保つために、隙間をペースト状の目地材で充填することです。シーリング(Sealing)とも呼ばれています。

外壁の隙間を埋める工事は、業者や人によって、コーキング、シーリング、シール工事など呼び名が統一されていません。

「コーキング」と「シーリング」は、日本工業規格(JIS)のK 6800-1985で「61 シーリング材 構造体の目地,間げき(隙)部分に充てん(填)して防水性,気密性などの機能を発揮させる材料。」「ユ 139 油性コーキング材 展色材(天然油脂,合成油脂,アルキド樹脂など)と鉱物質充てん(填)剤(石綿,炭酸カルシウムなど)を混合して製造したペースト状のシーリング材。相対変位の小さな目地のシールに使用される。」といった記述があり、厳密には「シーリング」のうち、ペースト状のものを「コーキング」と規定されています。

コーキングとシーリングは厳密には異なるものですが、ひび割れ補修工事においては同じ意味と考えて特に問題は無いでしょう。

今回は呼称を「コーキング」に統一して解説します。

2. コーキング材について

2-1.  コーキング材の種類

コーキング材には、さまざまな種類があります。下記の表は、外壁補修で一般的に使われるコーキング材の種類と特徴を示したものです。

 

成分

種類

主成分

塗料付着

塗料変色

硬化速度

硬化追従

1成分形

湿気硬化型 シリコン系(脱オキシム形)

×

変性シリコン系

変性シリコン系(低モジュラス)

ポリサルファイド系

ポリウレタン系(ウレタン)

2成分形

反応硬化型 シリコン系

×

変性シリコン系

ポリサルファイド系

ポリウレタン系(ウレタン)

 

 

1成分形とは、そのまま充填できるタイプのコーキング材で、基本的に一般の方向けです。

2成分形とは、コーキング材とそれを固める硬化材が別々になっている、プロ向けのコーキング材です。施工や管理に手間がかかるので、DIYではお勧めしません。

2-2.  コーキング材の主な用途

コーキング材は各成分系統により最適な施工箇所がありますので、下記表を参考に、購入する際は間違えないよう気を付けましょう。

ひび割れの応急処理ならば、アクリル系やウレタン系でも良いでしょう。シリコン系は、後から塗装ができるよう変性シリコン系を選ぶことをお勧めします。

コーキング材は色の種類も豊富ですので、外壁に近い色を選んでください。

 

種類 施工箇所 用途
アクリル系 ALCパネル目地

サッシと壁の隙間

天井と壁の隙間

モルタル壁のひび割れ

硬化後に弾性体となる

湿った面にも使用可

ALCパネル目地に使われるが耐久性が低く、改修時にはほとんど使われない

ウレタン系 コンクリート

ALC目地、石材スレート

木材、金属

柱と壁の隙間

配管・ダクト回りの目地

硬化後にゴム弾力性を持つ

コンクリート、スレートなどに対し汚染がない

耐久性は一番高いが紫外線に弱いので、住宅の外観箇所には不向き

ホコリを吸い寄せるので汚れやすく、上から塗装が必要

シリコン系 窯業サイディング目地

木質パネル目地

アルミサッシ回り

金属・金物回り

ALC目地

金属サイディング目地

金属屋根折板部・ハゼ部

大理石・モルタル・コンクリート

ガラス回り

陶磁器、プラスチック

石目地・タイル目地

配管・ダクト回りの目地

屋上シート防水下地

端末部目地

長期の耐久性を持つ

変性シリコンは塗装可能で、外壁目地、屋根板金、配管などほぼオールマイティに使える

乾燥後はホコリも付きにくいので仕上面として使用可能

塗膜との密着が弱いため、上から塗装には不向き

油性系 窓・ドア枠

各種パネル・ボードの継ぎ目

屋根防水層の立ち上がり

皮膜を形成するが、内部は非硬化
ポリサルファイド系 サッシ・大理石

PCコンクリート

ガラスとサッシのグレージング

笠木のジョイント部

屋上シート防水下地

端末部目地

配管・ダクト回りの目地

硬化後にゴム弾力性を持つ

長期の耐久寿命を持つ

3. コーキング補修の手順

3-1. 天候確認

補修工事は良く晴れた日に行いましょう。接着面が濡れていると上手く接着しませんので、十分に乾燥しているのを確認したうえで作業します。

3-2. ひび割れ箇所の清掃

ひび割れ箇所に汚れがあると接着を妨げますのでゴミや埃を除去します。クラックの割れ目の中も、ドライバーやワイヤーブラシを使ってしっかりと汚れをかき出してください。油分がある場合は、アルコールやベンジン等の洗浄溶剤を含ませた布で拭き取っておきましょう。

3-3. ひび割れ箇所のVカット

ひび割れの状態によってはそのままコーキング材を充填することもありますが、コーキング材はひび割れに対して粒子が大きいため、通常そのままひび割れに埋めようとしても隙間に浸透しません。亀裂の奥までコーキング材を注入するために、ひびに沿って少し大きめのV字型(Vカットと呼ばれる)の溝を掘ります。これによって充填がしやすくなるほか、補修材が接着する面積が広くなることにより、充填材の定着がより確実になります。

Vカットにはダイヤモンドカッターなどの工具を使いますが、カットし過ぎて下地の防水紙まで傷つけてしまわないよう細心の注意が必要です。

3-4. マスキング

コーキング材などで施工箇所以外が汚れないように、ひび割れ部分の両側に沿ってマスキングテープを貼り保護します。

3-5. プライマーの塗布

プライマーとはモルタルとコーキング材の接着をよくするためのものです。使用するコーキング材用のプライマーを塗布し、よく乾燥させます。

3-6. コーキング材の充填

コーキングガンを使ってひび割れ部分のすみずみまで行き渡るようコーキング材を充填し、ただちにヘラで押さえて表面を平滑に均します。

3-7. 清掃

コーキングが乾くまえにマスキングテープを剥がします。コーキング材がひび割れ箇所以外に付いた場合には洗浄溶液を含ませた布で拭き取ります。

3-8. 養生

コーキング材が完全に乾くまで、接着箇所に触らないようにしましょう。乾燥時間は使用するコーキング材の種類によって違いますので、説明書で確認してください。

3-9. 塗装

補修部分と既存の外壁の色が合うように塗装して仕上げます。コーキング充填後、塗装は1~2日空けてから行うことをお勧めします。

4. まとめ

自分でコーキングをしたときは、補修時期や使用したコーキング材の種類、メーカー、商品名をメモしておきましょう。将来、業者に依頼するときや、塗装仕上げをする際に役立つことがあります。

慣れないDIYでは、仕上がりが汚くなってしまい美観を損ねたり、すぐに劣化してしまうこともあります。DIYのメリット、デメリット(リスク)を考慮したうえで、もし不安があれば無理せず専門業者に補修を依頼しましょう。