コンクリートを劣化させる4つの原因とは?

コンクリートの劣化原因には、「中性化」「塩害」「アルカリシリカ反応」「凍害」などがあります。以下にそれぞれの劣化のメカニズムとその事例(現象)をまとめました。

1. 「中性化」のメカニズム

中性化とは、アルカリ性が低下して中性に近づく現象を言います。硬化したコンクリートは、セメントの水和反応により生じる水酸化カルシウムを多量に含むため強アルカリ性です。そのpHは、12~13程度ですが、pH10程度以下になると内部の鉄筋が腐食すると言われています。

その要因は、炭酸化、酸性雨、酸性土壌・水との接触、火災の熱、化学物質の影響などが挙げられますが、代表的な原因は、空気中の二酸化炭素と水酸化カルシウムが反応して起こる炭酸化です。

1-1. 「中性化」によるコンクリート構造物の劣化事例

中性化は、鉄筋コンクリート構造物内部の鉄筋を覆う不動態被膜を破壊して、鉄筋の腐食を誘発します。鉄筋が腐食してサビが生じると体積膨張を起こしてにひび割れを生じさせます。現象事例としては、内部の鉄筋に沿ったひび割れや表面のはく離・はく落、ひどくなると鉄筋露出まで見られます。

2. 「塩害」のメカニズム

塩害とは、コンクリート中に浸透した塩化物イオンによって生じる鉄筋コンクリートの劣化のひとつです。表面に付着した塩分が、塩化物イオンとして次第に内部に浸透して鉄筋位置に到達し、塩化物イオン量が一定以上を超えると鉄筋の不動態被膜を破壊して鉄筋を腐食させます。

2-1. 「塩害」によるコンクリート構造物の劣化事例

塩害による劣化現象は、中性化と同様に鉄筋に沿ったひび割れやはく離・はく落、鉄筋露出などを起こします。さらに補修を行ったとも経年とともに再劣化する可能性が高いと言われています。

3. 「アルカリシリカ反応」のメカニズム

アルカリシリカ反応とは、コンクリートの中の骨材が特定の成分(シリカ鉱物)を有していると、中に含まれるアルカリ性水溶液と特定成分が反応して、骨材が異常膨張することでひび割れなどを引き起こす現象です。アルカリ骨材反応とも言われます。

まず第一に、コンクリート中のナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属イオンと骨材のシリカ鉱物が反応してアルカリシリカゲルを生成します。さらにコンクリートに雨水や地下水などの水が供給されると、アルカリシリカゲルと水が反応してアルカリシリカゲルが膨張します。この膨張によってひび割れを発生させるのです。

3-1. 「アルカリシリカ反応」によるコンクリート構造物の劣化事例

アルカリシリカ反応によるひび割れは、無筋コンクリートや鉄筋量の少ない構造物では亀甲状もしくは地図状と呼ばれるランダムに入るひび割れが特徴的です。また、RC橋脚やPC造のように拘束力の強い構造物では、拘束力の弱い方向にひび割れが発生する為、主鉄筋に沿ったひび割れが多くみられます。構造物の配筋状況や部位、環境状況の違いなどにより複雑なひび割れパターンを見せることが特徴的です。

4. 「凍害」のメカニズム

凍害とは、寒冷地において、コンクリート中の水分が凍結により膨張することによって発生し、長年に渡り外気温差や日射による影響を受け、凍結と融解を繰り返すことにより徐々に劣化する現象を言います。内部に侵入した水は、凍結するときに、約9%の体積膨張をします。空隙内部の水が凍結するとき、まず大きい空隙中の水が凍結して、その後小さい空隙中の水が凍結します。

小さい空隙中の水が凍結する過程で、大きい空隙中にできた氷晶により膨張が拘束されます。この膨張を緩和するだけの自由空隙が存在しない場合、空隙壁面に大きな静水圧が生じ、これがコンクリートの引張強度に達した時にひび割れが発生します。この繰り返しによる劣化が凍害と考えられています。

4-1. 「凍害」によるコンクリート構造物の劣化事例

凍害による表面のひび割れは、コンクリート自体の膨張に起因する為、中性化や塩害で生じる鋼材腐食に起因するひび割れとメカニズムが異なります。吸水率の大きい軟石を骨材に使ったコンクリートでは、コンクリート自身が膨張して表面を弾き飛ばすポップアウト現象が特徴的です。

また、凍害が発生しやすいのは、部位としては突出部や水が流れる経路、日射が当たる南面に多く発生する傾向にあります。凍害程度が大きくなるとひび割れの進行に伴いはく離・はく落が発生して、さらに鋼材腐食が起こり使用性能や安全性能へ影響を及ぼします。