この記事では、コンクリートのひび割れ用補修材に関して自分で補修する時に使用する補修剤について紹介します。補修材に関してはホームセンターで様々な種類があります。しかし、補修箇所や補修方法によって仕様用途が違うため、しっかりと劣化症状を確認し、必要ならばプロに診断して補修材を使用する必要があります。

ここでは補修材の選定・種類に関して紹介したいと思います。

Basilisk
Basilisk

1. 補修が必要なひび割れの種類

1-1. 構造クラック(幅0.3mm、深さ4mm)

構造クラックが発生している場合は、必ず補修が必要です。構造クラックは表面だけではなく、内部の鉄筋にまでひび割れが発生している事が多く、時間の経過と共に雨水が浸入し、鉄筋が錆びるとひび割れがさらに広がっていく可能性があります。ホームセンターで市販されているクラックスケールで調べると幅の確認が容易です。

1-2. 狭い範囲にある複数のひび割れ

1-1.で述べたようなクラックではなく狭く浅いひび割れでも、狭い範囲に複数のひび割れが発生している場合は補修が必要です。狭い範囲でひび割れが発生していると、鉄筋まで雨水が浸入することがなくとも、構造的に弱くなる可能性があります。プロに一度診断してもらう事をおすすめします。

1-3. 部材の高さいっぱいまで伸びているひび割れ

基礎やブロックなどに見られるひび割れで上面から下面まで伸びているひび割れは補修が必要です。現時点での深さが浅くても時間の経過と共に深くなり、無筋のコンクリートの場合は特にいずれ貫通して構造物が割れる可能性があります。そうなる前に補修をする事が必要です。

1-4. 水平方向のひび割れ

乾燥収縮や温度変化によるひび割れは縦方向に発生する事が多いひび割れで、ほとんど構造的に問題ないヘアークラックです。しかし水平方向のひび割れは何らかの大きな力が加わって発生します。しっかりと施工管理されたものであれば、中震以下の地震でひび割れが発生する事はありません。水平方向のひび割れが発生した場合は何らかの問題が発生していると考えてプロにすぐに診断してもらうことをおすすめします。

1-5. コンクリートの破裂・滑落

狭く浅いひび割れを長時間放置することで発生します。ひび割れが広がっていき、内部の鉄筋にまで雨水が浸入するだけでなく破裂・滑落が起き、構造的に問題になってしまいます。破裂・滑落は早期のひび割れの補修を行なうことで防ぐ事ができるので、早めの補修をする事が重要です。

1-6. 表面の化粧モルタルが割れたひび割れ

構造物の表面には防水の意味も含めて化粧を施しています。上記のような深刻なひび割れではなく、表面だけにひび割れが発生しているので容易に補修を行なう事が可能です。このようなひび割れでの放置をしとくとコンクリートには防水性がないため化粧モルタルのひびから雨水が浸入し、構造ひび割れ等が発生する可能性があるので早期の補修が重要です。

2. ひび割れ補修材の選定

補修材といっても様々な種類があります。目的別に適した補修材を選ぶ事が大切になります。

2-1. ひび割れを補修したい

ひび割れの範囲で補修方法は異なりますがモルタル系の補修材で補修できます。ひび割れの幅次第では直接中身を出して注入するものや、スプレー式で吹き付けてひび割れを補修するものなど様々な種類があります。ひび割れの大きさや範囲で使い分けるのがいいです。

2-2. 穴を埋めたい

ひび割れは発生してなくても物をぶつけたりして化粧モルタルに穴が開くことがあります。そのまま放置しとくとひび割れ発生の可能性があるので早期に補修が必要です。その場合もひび割れ補修の時と同じくセメント系の補修材で補修が可能です。

2-3. 防水加工をしたい

構造物が古くなると塗装が剥がれ出し、防水機能が失われていきます。広範囲で剥がれてきた時には全面の塗り替えをおすすめしますが、部分的な場合はセメント系の補修材を塗り重ねて補修することが可能です。屋外だけでなく屋内の土間部分の補修にも最適です。

2-4. 駐車場などのひび割れ補修をしたい

駐車場など重量物が毎日の様に出入りする場所はひび割れが発生しやすい場所になります。上記のひび割れ補修で補修は可能ですが、そのような場所に関してはより強度の高いモルタル系補修材を使用し補修することで長期的に使用することができます。

3. ひび割れ補修材の種類

ホームセンターで購入できる代表的な補修材をご紹介します。

3-1. アサヒペン「コンクリート クラック 止水補修材」

画像出展:http://www.asahipen.jp

ひび割れの上から補修することができる補修用モルタルです。すばやく固まるのでひび割れだけでなく水漏れ防止・補修をすることができます。

3-2. アサヒペン「ワンタッチ カベ用コンクリート ひび割れ補修材」

画像出展:http://www.asahipen.jp

ひび割れに直接中身を押し出して使用できるパウチ容器になっている。耐久性に優れており、粘着力が高い樹脂製モルタルです。

屋内外で使用することが出来ますが、水に浸かるような場所には適していません。又使用後水性塗料を塗ることができます。

3-3. ABC商会インサル事業部「インサルクラックシャット」

コンクリートに発生したひび割れ1mm以下のクラックに吹きかけるだけで補修できるスプレーです。スプレー式なので誰にでも簡単に補修でき、保管もしやすいため微細なひび割れを発見した時にはすぐに補修できるので1本持っていれば安心です。

画像出展http://www.insulpak.net

4. まとめ

コンクリートのひび割れが発生する原因は中々自分で判断する事は難しいです。ひび割れが発生しているからといって構造物に影響するとは限らないので、まず最初に症状をきちんと確認し、自分で判断できない場合は業者に依頼しましょう。

自分で補修する場合は症状と環境をきちんと考えひび割れが悪化しないように補修することが大切です。

新規CTA