【完全版】コンクリート打ちっぱなしのメリット・デメリット

打ちっぱなしコンクリートのオフィスビルやマンションは、コンクリート独特の重厚感や素材感がから、そのスタイリッシュなデザインに憧れる人もいるのではないでしょうか?

しかし、住みにくさを感じる人も多くいます。

今回は、打ちっぱなしコンクリートの建物のメリットとデメリットについて説明し、快適に暮らすための条件についてご紹介します。

1. コンクリート打ちっぱなしとは

「打ちっぱなし」は「打放し(うちはなし)」とも読みますが、コンクリートを打設(打つ)後、コンクリートが固まったら型枠をぱっと外して終了という一連のコンクリート工事の流れから、そう呼ばれています。

つまり、現場打ちコンクリートの表面に塗装やタイルなどの仕上げをせず、型枠を外した直後のむき出し状態のコンクリートをもって仕上げとする。という建物の造り方を総称するものです。

2. コンクリート打ちっぱなしのメリット

メリット1:スタイリッシュでオシャレ

コンクリート打ちっ放しは、なんと言ってもスタイリッシュでオシャレなのが大きなメリットです。コンクリート表面に塗装やタイルを施さないことで、コンクリートの重厚感や素材感でオシャレ感を演出しています。デザイナーズ住宅で採用されていることが多く、普通の住宅と比べてオシャレで現代的な雰囲気を持つのが特徴です。

メリット2:遮音性・防音性が高い

コンクリート住宅は、木造住宅と比べて遮音性に優れています。よって、外からの音が入りにくく、静かな空間で暮らしたい人に向いています。もともと外部への音漏れが少ないため、さらに軽い防音工事を加えれば、楽器の演奏も近隣住民に気兼ねなくできるでしょう。

メリット3:空間を広く取れるため、開放感がある

コンクリート住宅は木造住宅よりも広い空間を取ることができます。木造住宅はどうしても柱で建物を支える必要があるため、その分だけ室内の面積が狭くなります。その点、コンクリート住宅は壁で建物を支えることができるので、広く室内空間を取ることができます。

メリット4:耐火性に優れている

木材は260~416℃で発火が始まりますが、コンクリートは1,000℃の炎でも2時間耐えられるほどの耐火性があります。よって、万が一火事になってもすぐには燃え広がらないため、火災保険料が木造住宅より低く設定されています。

3. コンクリート打ちっぱなしのデメリット

デメリット1:結露・カビが発生しやすい

コンクリートは吸水性が高い材質です。打ちっ放しで防水処理が施されないと、表面から水分を吸い込みます。それがコンクリート表面に出てくる白華(はっか)やカビの原因になります。

また、新築間もないコンクリート住宅では、コンクリート内部の水分が徐々に蒸発するため、結露が発生しやすくなります。このまま結露を放置するとカビやシミの原因となってしまうため、湿気対策に気を配る必要があります。

デメリット2:施工業者の腕が重要

コンクリート住宅は、施工業者の腕によってその出来・不出来が決まってしまいます。生コンクリートは非常にデリケートであり、手馴れた技術者でも施工管理が難しいと言われています。

また、打ちっぱなしコンクリートは型枠を取り外した時点で美観と耐久性が決まってしまうため、適切な型枠やコンクリート材料を選定し、入念な施工が必要となります。

デメリット3:夏は暑く、冬は寒い

「夏は涼しく、冬は暖かい」は理想の住環境ですが、打ちっ放しコンクリートは「夏は暑く、冬は寒い」という反対の住環境になってしまう欠点があります。なぜなら、コンクリートは熱伝導率が高いという特徴があるためです。

熱伝導率とは熱の伝わりやすさを示す値で、熱伝導率が高いほど熱を伝えやすく、低いほど熱を伝えにくくなります。よって、断熱材を使用していない打ちっ放しコンクリート住宅では外気温が室内に伝わりやすくなり、冬の冷気や夏の暑さが顕著に室内温度に影響を及ぼします。

4. デメリットをカバーする適切なメンテナンスとは?

室内の結露やカビを防ぐためには、エアコンなどを使用して除湿をしっかり行いましょう。

また、外壁の美観や耐久性を保持するためには、無色透明な表面仕上げ材を使用することを検討してください。近年では、コンクリート表面に含浸し、水の侵入を防止するシラン系化合物などを利用した浸透性吸水防止材やアクリル樹脂およびフッ素樹脂などの透明樹脂塗装が販売されています。

これらはコンクリートの持つ質感や美観の保持と同時に、中性化の抑制や塩分などの浸透抑制の効果もあるため耐性が向上に寄与します。ただし、塗布材料の種類や環境の条件によって定期的なメンテナンスが必要となるため、材料メーカーに確認することをお勧めします。

5. 「外断熱工法」で打ちっぱなし物件が快適に

コンクリートは空気の1300倍という熱容量を持っています。この熱容量の大きさを利用して室内温度の安定を図った工法が外断熱工法です。

外断熱工法は、断熱材でコンクリート住宅をすっぽりと覆うことで外気の温度変化を遮断します。これによってコンクリートの外壁は室内温度に順応して、その大きい熱容量で熱を吸収または放出して、室内温度の安定化に寄与します。

しかし、残念ながら外断熱工法は日本国内においてはあまり普及していないようです。それは、外断熱工法が従来の内断熱工法(断熱材を室内側に設けた工法)に較べて建設費が割高であることが最大の理由です。

外断熱工法は、コンクリート外壁に直射日光が当たることがないため、急激な温度変化や乾燥によって生じやすい微細なひびわれがコンクリートに生じにくくなる利点があります。つまり、住宅の長寿命化に繋がります。

建設費が割高でも長期的な視点でのコスト比較を行うことが大切ではないでしょうか。

6. まとめ

打ちっ放しコンクリートは、打設したコンクリートの肌をそのまま見せる工法で、コンクリート独特の重厚さや素材感などが好まれ、建物の仕上げ工法の一つとして用いられるケースがあります。

しかし、ご紹介したようなデメリットもあるため、打ちっ放しコンクリートの住宅に住むもしくは建てることを検討されている方は、詳しい建築家に相談されることをお勧めします。