地震で壁にできたひび割れについて

地震で壁にひび割れが生じたとき、あなたはまだその家に住みつづけられますか?購入して間もないマイホームだったとしたら、そう簡単に引っ越すこともできないですよね。

日本は地震大国と言われるだけあって、頻繁に地震が発生します。

地震で壁にひび割れができたまま放置して、我が家は大丈夫だろうか?

直ぐ専門家に相談しなくてはダメだろうか?

色々悩む前に、まず壁にできたひび割れを知ることから始めましょう。

『ひび割れ』と一言にいっても、それは様々です。壁紙にひび割れが生じているのか、外壁にひび割れが生じているのか、下地にまでひび割れが生じているのか、壁のどの部分にひび割れが生じているのか、ひび割れの状況は、たくさんあります。

ひび割れがどのように生じているのか知った上で、どのように対処したら良いか考えていきたいと思います。

Basilisk
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1. 頻繁に発生する地震

日本は、地震大国と言われるほど、地震が多く発生します。

1年間でどのくらいの地震が日本に発生しているかご存知ですか?

インターネットで調べると、ものすごい数の地震が発生しているのがわかります。

震度5以上の地震は、年に10回以上あり、どこで地震が起きてもおかしくありません。

1923年:関東大震災

1948年:福井地震

1964年:新潟地震

1968年:十勝沖地震

1978年:宮城沖地震

1995年:兵庫県南部地震

2007年:新潟県中越沖地震

2011年:東日本大震災

2016年:熊本地震

地震の規模は、大小様々です。そして日本全国どこでも発生します。

何年以内に何%とか予知を言う人もいますが、過去の歴史をみれば、専門家ではなくても分かると思います。地震は生じるものとして、普段から準備しておくと良いと思います。

2. 地震による壁の劣化

地震により、壁にひび割れが生じます。これは地震により建物が揺れることにより、建物が変形して、壁が変形することにより生じます。ひび割れが生じるということは、壁に無理な力が生じたと思っていいでしょう。

よくそのくらいのひび割れは大丈夫などと言う人もいますが、何を持って大丈夫なのでしょうか?

建物は、「最近、壁の調子が悪くて・・・。」とか、自分で声を出せません。

ひび割れは、建物の声と思ってください。ひび割れの症状を知ることによって、重症なのか軽症なのか判断してみると良いと思います。

たとえ軽症であったとしても、長期的に考えると、水が侵入したりして耐久性に問題が生じることもあります。早めの予防、早めのメンテナンスが重要です。

2-1.ひび割れ

壁に生じたひび割れが、どんな『ひび割れ』なのか見ていきましょう。

1. ひび割れは、どこに生じていますか?

まず、ひび割れたのは、木造住宅ですか?鉄骨住宅ですか?それともコンクリート住宅でしょうか?

木造住宅の外壁に生じた場合、外壁の仕上げは何ですか?モルタル塗り、サイディング貼り等工法は、様々です。しかし外壁にひび割れが生じた場合は、そこから水が侵入し断熱層と言われるグラスウール等の断熱材を濡らします。

断熱材は、水が塗れると当然の如く断熱性能が急激に低下します。さらにカビが発生し、呼吸器系に支障を生じるようにまでなります。

内壁に生じた場合は、通常ですとプラスターボードと壁紙に生じることになると思います。よくプラスターボードは耐震要素ではないから、問題ないと書かれることもありますが、プラスターボードもれっきとした耐震要素となりますし、プラスターボードにひび割れが生じるということは、それを留めているビスが緩んでいたり、ビスが浮いているようなことがあると思います。

これは耐震要素の構造パネルや、筋かいといった構造要素の釘も緩んでいる可能性がありますので、問題ないと思わずに、それこそ建物の声と思って調査することをお勧めします。

次に鉄骨住宅ですが、これも木造住宅とほぼ同じです。

ただ鉄骨住宅の場合は、釘等のゆるみはありませんので、ひび割れから水が侵入する場合は、やはり断熱材に影響していますので、注意が必要になります。

またひび割れが生じるほどの地震の場合には、土台と柱を留めているアンカーボルトが伸びたり、緩みが生じたりしますので調査することをお勧めします。

コンクリート住宅の場合は、ひび割れの幅にも寄りますが、まずは水分の侵入により、中の鉄筋が錆びて、耐久性が落ちることが問題です。水が侵入しないようなひび割れでも、コンクリートの中性化が通常より早く進み、鉄筋が錆びる原因となります。

鉄筋は錆びると体積膨張を起こします。

体積膨張を起こすと周りのコンクリートを押しのけるほどの力で、コンクリートを剥落させ、どんどん劣化していきます。

ひび割れには、曲げひび割れ、せん断ひび割れ、曲げせん断ひび割れ、付着割裂ひび割れなど、ひび割れの入り方によって名前が付けられています。

ひび割れの入り方によって名前が付けられているということは、それだけ特徴を持ったひび割れで、危険度が違うわけです。

専門的なことは、またの機会があればお話ししますが、すぐ知りたいのであれば、インターネット等で調べてみてください。

2-2.その他

建物が揺れて、ひび割れが生じるということは、建物が緩んでいるということになります。

高層ビルは、柳のように揺れて建物の力を逃がしたり、免震住宅もゆっくり揺れたりします。これは地震の揺れに対して、ワザと違う周期で揺れることで地震の力を逃れるわけです。

地震で一番怖いのは、建物の周期と地震の周期が揃ってしまうことです。

つまり共振現象です。共振現象が生じると驚くほど建物が良く揺れます。

音楽などで良く聞く共振現象と全く同じことが、地震でも起き、建物の揺れを大きくして、建物に甚大な被害を及ぼすのです。

建物には、どんな建物でも固有周期というものがあり、地震の周期よりも短いのですが、建物がひび割れ等で被害を生じると、固有周期が地震の周期と近づいてきたりします。

よく余震で建物が崩壊することがありますが、全てではありませんが原因の一つだと考えられます。

3. 対処方法

地震で起きたひび割れは、どんなものであれ、対処した方が良いでしょう。

軽微なものは、塗装程度で十分なものもありますが、外壁の場合は自分で行うことはなかなか難しいと思います。

また場合によっては、耐震診断を必要とするようなことがあると思いますので、信頼できる専門家に頼んで調査してもらうことをお勧めします。

費用面等に関しては、地震保険も検討してみてください。地震保険に加入しているのであれば、要件を確認し、保険金の請求ができます。

ハウスメーカーや施工会社ついては、たとえ保障期間内であっても、地震のような天災ですので免責されますが、特約があれば補償されることもあります。

4.  まとめ

地震で壁にできたひび割れについて、話してきました。

建物の種類、外壁のひび割れ、内壁のひび割れ、ひび割れの入り方などひび割れも様々です。

その為、建物に対しての緊急性も様々ではありますが、ひび割れが、どこにどのように生じているのか、診断して下さい。繰り返しますが、あそこが痛い、ここが痛いと建物は声が出せません。ひび割れは、建物の声と思い、無視せず、慌てず、治療をしてあげましょう。

早急に対応することが、家を長持ちさせるコツです。

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