Q. 質問内容
自宅を新築中です。ベタ基礎の立ち上がり部分の型枠にコンクリートを流し込んでから、中2日で型枠を取り外されました。少し早いと思うのですが大丈夫でしょうか?
A. 回答
基礎コンクリートの養生期間については、以下の記事でも詳しく解説しています。
「基礎コンクリートの養生期間と型枠取り外し時期について解説」
養生期間が短いのは決して良いことではありませんが、住宅の基礎工事においては早めに型枠を外す例は少なくありません。
型枠を取り外す時期については、JASS 5では次のように規定されています。
型枠の解体時期
項目 |
基礎・梁側面・柱および壁 |
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セメントの種類 |
早強ポルトランドセメント | 普通ポルトランドセメント | 混合セメントB種 | |
コンクリートの圧縮強度 |
・短期および標準:5N/mm2以上 ・長期および超長期:10N/mm2以上 |
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コンクリートの材齢 |
日平均気温20℃以上 |
2日 | 4日 | 5日 |
日平均気温 |
3日 | 6日 | 8日 |
これはあくまでも目安ですので、必ずしもこの日数湿潤養生をしなければいけないというわけではありません。一般的な建物の場合、コンクリートの圧縮強度が5N/mm2以上であることが確認されれば、型枠を取り外しても問題ないとされています。普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートの場合、標準的な住宅基礎の養生期間は平均気温が15℃のときに5日以上です。
ご質問の場合、生コン打設後の気温や天候にもよりますが、よほどの寒冷地でない限り中2日の養生期間があれば5N/mm2に達していると思われますので、影響は少ないでしょう。
もし心配でしたら、圧縮強度の試験結果を提示してもらうか、打設後4週間以上経ってからハシュミットハンマー試験を行うことで予定している圧縮強度が出ているかどうかがわかります。
型枠を取り外すとコンクリートの露出面が増え、水分の蒸発などにより水和反応が止まってしまう可能性があります。
もし圧縮強度の確認をせず、規定の日数前に型枠を外してしまったときは、ビニールシートや断熱材で覆い保湿状態にすることと、コンクリートが欠けたり傷がつかないように衝撃から保護することが必要です。
また、所定の強度に達するまでは上棟はせずに荷重を掛けないようにしましょう。