生コンクリートの品質管理は、材料、製造工程の標準化を実施することで、製品の品質、信頼性及び経済性を高めることを大きな目的として行われています。
生コンクリートは生ものである為、時間の経過と共にコンクリートの状態は変化していきます。
その為工場で製造された後、ミキサー車によって工事現場まで運搬し、型枠に打ち込まれるまでには数回の品質管理が行われています。
ここからは、コンクリートがどの時点で誰がどのような目的で検査を行うのかを説明して行きます。
この記事でわかること
1. 生コンクリートの品質管理を行う為に必要な検査
生コンクリートの品質管理を行う為に必要な検査は、一般的に生コン工場が行う検査と購入者が行う検査の二通りに分けることが出来ます。
2. 生コン工場が行う品質管理
生コン工場は、使用する材料や工場出荷時、荷卸し前に所定の試験を行います。
2-1 使用する材料の検査
生コン工場は、生コンクリートに使用する材料について日本工業規格に適合しているかを確認後、使用しなければなりません。
検査を行う材料の種類は、セメント、水、骨材(砂・砂利)、混和材(剤)などがあり、各材料別に規格が定められています。
日本工業規格とは、工業標準化法に基づいて制定されている国家規格のことで、JIS規格と呼ばれています。
2-2 工場出荷時に行う検査(工程検査)
生コン工場は工場出荷時に次の項目について検査を行います。
2-3 荷卸し前に行う検査(製品検査)
生コン工場は、荷卸し前に次の項目について検査を行います。
3. 購入者が行う品質管理の為の検査
購入者は、建築構造物においては、公共建築工事標準仕様書(営繕)や建築標準仕様書(JASS 5)、土木構造物においては、土木工事共通仕様書により、荷卸し時の受け入れ検査、構造体の品質検査を行います。
3-1. 荷卸し時の受け入れ検査
3-2. 構造体の品質検査
4. まとめ
ここまで普通コンクリートが工場で製造されて、お客様のもとに届けられ構造体に打ち込まれるまでに行われている品質管理について書いてきました。
生コン工場は、使用する材料や打ち込み前までの生コンの品質管理を、購入者は最終的な構造体の品質管理を行うことが、法律で義務付けられています。
生コンはひとつの工程でちょっとした手抜きがあっても、後々事故の原因となる可能性があるデリケートな商品です。
その様な事故が絶対に起きない様、二重・三重の品質管理を行う事で、これからも健全な構造物が建てられて行くのです。