打ちっぱなしコンクリートの湿気対策について

コンクリート打ちっ放しで出来た部屋は一見スタイリッシュでモダンなイメージですが、実際に住んでいるひとの意見を聞くと冬の寒さ、夏の暑さ、湿気に悩まされているのが現実です。

特に湿気は大変厄介で、様々な部分にカビを発生させる原因となったり、冬期間の結露の原因となるなど、住人の大きな悩みとなっています。

コンクリート打ちっぱなしの壁で出来ている部屋はモダンでスタイリッシュなことから、あこがれているひとは、たくさんいると思います。

しかし一方で、実際に住んでいる人の声を聞くと、「冬は寒い」「湿気から来る結露がひどい」など必ずしも良いことばかりでは無いようです。

そこでここからは、コンクリート打ちっ放し壁に起こる湿気の原因とその対策方法について解りやすく解説して行きます。

1. なぜコンクリート打ちっ放し壁の部屋は湿気が多いの?

まず、打ちっ放し壁の湿気は、コンクリートが持ち合わせている性質に大きく関係があります。

① コンクリートの内部は長い間ジメジメ状態

もともとコンクリートというのは、セメント、水、細骨材、粗骨材を混ぜ合わせて製造されます。

この時使用された「水」の一部はセメントを固める為に使用されるのですが、その他の余分な水が乾燥するまでには、一般的に2年~3年、環境によっては、5年以上かかるといわれています。

すなわち、コンクリートの表面は乾いていても内部はジメジメした状態が数年続くということになります。

② コンクリートは表面から水分を取り込みます。

コンクリートは、一見表面が乾いているように見えていても、実は常に表面から水分を取り込んでいるのです。

もし、外壁も打ちっ放しで表面に何も処理をしていないと、雨水などの水分を内部に取り込んでしまいます。

室内が打ちっ放しの場合も室内にある水分を、コンクリート壁の内部に溜め込むことで、やがては壁以外の室内のさまざまな部分にまでカビを発生させていく原因になります。

特に冬場においては、暖房を使うことで室内に熱気がこもり結露が発生しやすくなります。

その対策として強制換気を行うと、室内の温度が下がり、また暖房を使うという悪循環の繰り返しになってしまい、結果結露によるカビの発生につながってしまいます。

2 コンクリート打ちっ放し壁で出来た部屋の湿気対策方法

今までの説明のとおり、もともとコンクリートが持ち合わせている特性上なにも対策しなければ、部屋の湿度が高くなってしまうのは仕方の無いことなのです。

その為、湿気対策方法は、もうすでに住んでいる場合と、これから新築しようと考えている場合では、大きく変わってきます。

2-1. すでに住んでいる場合の湿気対策

今あなたが住んでいる家が、外壁、内壁共に何も対応していない場合は、内断熱工法が最良の対策といえます。

内断熱工法とは、室内側のコンクリート面と内装材の間にグラスウールなどの断熱材を詰めて断熱する工法です。

○メリット:一般的な施工法である為ほとんどの業者が用いており、施工ミスが少なくなるとともに、繊維系の材料を使用することでイニシャルコストは安くなります。

○デメリット:外環境と接しているコンクリートが断熱材のすぐ外側にある為、温度変化を受けやすく、適正な室内温度を確保する為には必要以上の大きなエネルギーを要することがあります。

また換気の仕方によって、温度差のある空間では結露を起こす可能性があります。

2-2. これから新築しようとしている場合の湿気対策

もし、あなたがこれから新築しようと考えている場合は、建築コストはあがってしまいますが、外断熱工法をお勧めします。

外断熱工法は、コンクリートの外側に断熱材が存在する為、コンクリート自身の温度が外気の影響を受けにくくなる為、室外と室内の温度差によって発生する結露を防止することが出来ます。

外断熱工法には以下の種類があります。

① 乾式通気層工法

金物で断熱材を押さえ、外壁との間に通気層を持つ工法です。

○メリット:重量のある外装材に対応できます。

○デメリット:イニシャルコストが高くなります。

② 湿式密着工法

接着剤の入ったモルタルで断熱材を止め、ガラスメッシュを巻き、表面に左官仕上げをする工法です。

○メリット:イニシャルコストは安くなります。

○デメリット:外装材は、塗装材に限られ、メンテナンスが必要です。

③ 乾式通気層工法

コンクリート打設時に躯体と一緒にアンカーボルトを打設して、機械的に断熱材を固定する工法です。

○メリット:通気層を持つ仕様の為、結露対策としては最も効果的な工法です。

外装材の選択幅が広がる事と、メンテナンスコストが安くなります。

○デメリット:イニシャルコストは高くなります。

④ 湿式密着工法

コンクリート躯体に直接断熱材を接着させる工法です。

○メリット:イニシャルコストは比較的安くなります。

○デメリット:断熱材及び外装材は透湿性のある素材に限定され、外装材は継続的にメンテナンスが必要となります。

3. おわりに

ここまで、コンクリート打ちっ放し住宅の湿気対策について、工法も含め説明して来ました。

これら各工法のメリットとデメリットを良く理解し、地域の冬期間の気候環境やイニシャルコストも含め決定することで快適な居住スペースを確保することが可能になります。

どちらにしても、コンクリートが完全に乾ききるまでは、家具等を壁から少し離すなど密封される環境を造ることは避けたほうが良いでしょう。

また暖房器具についても燃焼系の暖房器具は避け、オイルヒーターや遠赤ヒーターをお勧めします。

空気を汚さないことも、カビ発生の大きな要因となります。

その他ガラス窓を二重にしたり、床暖房にすることで、コンクリート住宅の特性を最大限に活かすことが可能になります。

コンクリートの打ちっ放しは夏は暑く、冬は寒い、結露がひどく住宅には不向きとの意見も多いのですが、適切な断熱工法を選択することで、夏は涼しく、冬は暖かい快適な居住空間を造り出すことが可能になるのです。