社会基盤を成しているコンクリート

コンクリートは橋梁、高速道路、マンションなど様々な構造物の材料として使われており、社会基盤を支えています。欠かすことのできない材料です。

ここでは、コンクリートとはどのようなものなのかを説明し、社会基盤としてのコンクリートの歴史について紹介します。

1. コンクリートは社会基盤になっている

1970年前後の高度経済成長期において、橋梁、高速道路、マンションなど数多くの構造物を建設され、建設ラッシュと呼ばれました。とにかく作らなければいけないものを無我夢中で作った時期です。当然、安価で使いやすいコンクリートも多く使用され、社会基盤となりました。

1980年頃までコンクリートは、「寿命は、メンテナンスフリーで100年以上ある」と考えられていました。これが、半永久的な寿命をもつという、“コンクリート神話”と呼ばれるものです。

しかし、すぐにその神話が崩壊することになります。

骨材配合等の問題、かぶり厚さの問題、ポンプ施工による“シャブコン”と呼ばれる加水により水セメント比が高い材料の使用などによって、全国各地で高度成長期に建設された構造物の早期劣化が次々と起こりました。さらに、設計当時にはほとんど認知されていなかった塩害やASRといったコンクリートの劣化現象も明らかになりました。

NHKの報道特集「コンクリートクライシス」が放送され、世間一般にコンクリートの劣化の問題が知られ社会問題へ発展しました。

建設ラッシュ当時は次から次にある現場を期限内に終わらせるために雑に取り扱った結果、早期に劣化が発生しました。現在では、その考えが変えられ施工段階でコンクリートの品質のばらつきが生じないように、製造や施工方法が改めました。

また、劣化のメカニズムが明確になり設計段階で十分な対策が施されるようにもなりました。その結果、今でも社会基盤としてコンクリートが使用されています。

メンテナンスフリーで半永久的に使用できる材料はありませんが、コンクリートは手をかけてやればやっただけ必ず応えてくれます。たかがコンクリートだとは思わず、大切に取り扱うことが重要です。

2. コンクリートとは?

コンクリートとは、セメント、水、砂、砕石を練り混ぜて固まったものです。使用されるセメント:水:砂、砕石の構成比は、2:1:7で、砂、砕石が多くの割合を占めます。どこでも材料が手に入り、安価です。そのため、建築分野、土木分野でとても多く使用されている重要な材料です。

一般的なコンクリートは、生コン工場で作られます。固まらないように専用の車(コンクリートミキサー車)で施工現場まで運搬されます。ダムなどを作る際は、施工現場まで運搬することが難しいため、現地にてプラントを作りそこでコンクリートを作ることもあります。

コンクリートは、様々な形状にできる、圧縮力が大きい、すぐれた耐久性や耐火性を備えているといった特徴があります。しかし、引っ張りに対しては非常に弱いです。その弱点を補うために、鉄筋と組み合わせて使用します。それが、鉄筋コンクリートと呼ばれるものです。橋のような土木構造物やマンションのような建築構造物まで、様々な構造物で使用されています。

3. モルタルとは?

モルタルとは、セメント、水、砂を練り混ぜて固まったものです。コンクリートから砕石を抜いたものがモルタルです。

モルタルは、コンクリートと同じように生コン工場で作る方法と、施工現場で作る方法の2種類があります。生コン工場では安定したコンクリートが出来上がりますが、柔らかさを変えて欲しいなどといった現場の要望に応えにくいといったデメリットがあります。施工現場でのモルタル製造は、安価でその場のニーズに合わせた状態のものを作れますが、品質にムラが出やすくなるデメリットがあります。

モルタルは、コンクリートと同様に様々な形状にできますが、強度面では劣ります。そのため、主に補助的な役割で使用されています。住宅分野おいて、外壁、内壁、床、ベランダ、セメント瓦、タイルの下地・接着剤にも使われます。

レンガを接着するためのモルタル、コンクリート構造物を補修するためのモルタルといった使い方もあります。

4. セメントとは?

セメントは、コンクリートとモルタルをつくるときに使用される材料で灰色の粉体です。セメントのみを使用することはなく、水や砂などと組み合わせて使用し、接着剤の役割を果たします。

コンクリートやモルタルを作る際には欠かすことのできない重要な材料です。

セメントの主な原料は、石灰石、粘土、けい石、酸化鉄原料です。これらの原料を所定の温度まで加熱し、クリンカと呼ばれる化合物が出来上がります。そのクリンカにせっこうを混ぜて粉砕するとセメントができあがります。

セメントには、色々な種類があります。一般的に使用されているのは、ポルトランドセメントです。それ以外にも、混合セメント、エコセメントがあります。さらに、それぞれに多くの派生型があり、10種類以上にもなります。