コンクリートのひび割れ測定方法

コンクリートはとてもひび割れやすい素材です。そのひび割れにもコンクリートに有害なものもあれば特に対処を必要としないひび割れもあり、コンクリート構造物に対する影響の大小はおおむねそのひび割れの幅から推定することができます。

ここでは、コンクリートに生じるひび割れの種類と測定方法について解説します。

1. ひび割れ測定とは

コンクリートは荷重が作用して引張強度に達すると大小さまざまなひび割れが発生します。

発生したひび割れは部材の力学性能に影響を与えるだけでなく、目視で確認できない微細なひび割れであっても水分やイオンの移動経路となって部材の耐久性を低下させます。

コンクリートに生じる変位やひずみの分布を計測し、ひび割れ進展挙動を定量化することが出来れば部材レベルでは損傷の判別に、供試体レベルではコンクリートの破壊機構の解明につなげることができます。

2.  測定対象のひび割れとそのひび割れ幅

2‐1.  ヘアークラック

金属中に出来るものなど、髪の毛のような細く、短いひび割れの総称です。

塗装で言うヘアクラックとは、 主に塗膜に出来るクラックです。

原因として次のようなことがあげられます。

  • 経年による塗膜劣化。
  • 塗装間隔時間の不適切な塗装作業。
  • 弾性素地や塗膜の上に硬質塗膜を塗装した場合。

2‐2.  乾燥クラック

モルタルなどの湿式工法による外壁材は、その乾燥過程で、水分の蒸発などによりヤセ(収縮)が生じ、ひび割れが起こります。

乾燥クラックはそのひび割れ幅が狭いのが特徴です。

2‐3.  構造クラック

建物の構造的な欠陥、凍結と融解の繰り返し、建物の不同沈下などから発生するひび割れです。

筋交い等の不足など構造的な欠陥から、建物が大きく揺れたり、歪んでしまったりするため、その歪力が外壁材に働き、外壁材にひび割れをもたらします。

2‐4.  縁切れによるクラック

モルタルなど湿式工法の外壁材は一度に一面を仕上げます。

途中で作業を中止したり、他の事情で部分的にやり直したりしますと、新旧の塗り次ぎ面にひび割れを生じます。これが縁切れによるクラックです。

3. 測定方法

3‐1. クラックスケール

壁、床等に発生したひび割れ(隙間)の幅を測るもので、0.05㎜きざみに0.05㎜~2㎜程度の太さの直線が表示されているものが主流です。

測定するひび割れ(隙間)にクラックスケールをあて、ひび割れの幅に該当するクラックスケール上の線の太さを読み取り、ひび割れの幅とします。

3‐2. クラック針ゲージペン

クラックにゲージ針を差込みクラック幅を確認する器具です。ペンサイズで携帯性に優れています。

補修判断の基準となる寸法ゲージ針(0.1、0.2、0.3、0.5、0.7mmなど)を装着して使用します。

3‐3. 超音波法

超音波法は、対象断面を挟み込むように探触子を配置して超音波を透過させ、その伝播速度や周波数分布を健全部と比較することにより空隙などの内部欠陥の有無を検出する手法です。

この技術により、ひび割れの深を測定することが可能です。

ひび割れが存在しなければコンクリート表面の伝播時間を、ひび割れが存在する場合はひび割れの先端を迂回し、その伝播時間の差からその深さを推定します。

超音波の反射波を用いてひび割れの深さ測定の他に、構造物内の欠陥(空隙・はく離)の検出にも用いることができます。

3‐4. 衝撃弾性波法

センサーをコンクリート表面に押しつけ、センサーの近傍を鋼球などのインパクターにより打撃すると、弾性波が発生しコンクリート中を伝搬します。

この弾性波はコンクリートの弾性率、密度によって、伝搬する速度が変化するとともに、内部に空洞などが存在すると、空洞位置で反射する性質があります。

このインパクターによる打撃によって生じる弾性波をセンサーで観測し、弾性波の伝搬速度、反射時間などを測定して、コンクリート表面、内部の状況を非破壊で検査する画期的なシステムです。

4. まとめ

鉄筋コンクリート構造物に発生するひび割れは、鋼材の腐食による耐久性の低下、水密性・気密性などの機能の低下、過大な変形や美観の低下などを引き起こします。

ひび割れの影響を評価するためには単にひび割れの幅や長さだけではなく、分布や発生原因を含めて総合的に判断する必要があります。