ミキサー車の仕組み

ミキサー車とは、生コン工場で製造された生コンを工事現場まで、運ぶ貨物自動車で、正式には「トラックアジテータ」と呼ばれます。

ミキサー車は一般的な貨物自動車とは違い、荷台部分に回転するドラムを備えており、生コンを分離させることなく現場まで運ぶ事を目的とした車です。

ドラム内部には、螺旋(らせん)形のプレートが付いており、現場で生コンを下ろす時はドラムを逆回転させて排出します。

Basilisk
Basilisk

1. ミキサー車とは

ミキサー車とは工場で製造された生コンを工事現場へ運ぶ貨物自動車です。

荷台部分に回転可能な円筒形のミキシング・ドラムを備えており、走行中でも生コンクリートを撹拌しながら輸送することができます。

ミキサー車以外にもトラックミキサや生コン車、専門分野ではアジテータ・トラック、トラック・アジテータ、移動式ミキサ、アジ車などと呼ばれることもあります。

ミキサー車はアジテータに比べ、ミキシング・ドラムを高速で回転させることができ、車両内でコンクリートを製造することもできます。

構造的にはどちらも大きな差はなく、近年はコンクリートの輸送が容易になったことや、生コンクリートの製造設備を現場内に設置したりするようになったことから車両内でコンクリートを製造する需要が減った為、アジテータの方がより普及しており、ミキサー車もアジテータとして使えるものが主流となっております。

そのため現在ではミキサー車とアジテータの厳密な区別がなくなってきており、一般的にはミキサー車、業界ではアジテータという呼び方が定着したと言われています。

2. ミキサー車の役割

ミキサー車は生コン工場やバッチャープラントと呼ばれる製造工場で作られた生コンクリートを工事現場へ輸送するために使用されます。

生コンクリートは輸送中でも適度な撹拌を行わないと骨材や水が分離し、品質が均一ではなくなってしまいます。

その為、輸送中は常にミキシング・ドラムをゆっくりと回転させて撹拌します。

走行中に荷台上で可動する構造と、エンジン回転軸から駆動軸を分岐させるなどの特別な構造を搭載している為、いわゆる8ナンバー車(特種用途自動車)となります。

3. ミキサー車の構造

3-1. ホッパ

車両後部上方にある、生コンクリート投入用の口です。

最近では品質確保のため輸送時にカバーをかけるのが一般的です。

3-2. ドラム

生コンクリートを積載するための円筒状の容器です。

骨材や水の分離を防ぐ為、走行中も常に回転し続けて生コンクリートの品質を均一に保ちます。

内部には螺旋形のプレートが付いており、生コンクリートを積む際は車両全面から見て時計回りに回転させ、下ろす際はその逆に回転させます。

ドラム混合容量は0.9m3(2トン車)から4.25m3(10トン車)程度で、両端部にベアリング機構を搭載しております。

3-3. シュート

生コンクリートを目的の荷降し位置へ導くための樋(とい)です。

左右に回転する他に上下動作も可能となっております。

大型車ではシュートそのものが重くなることもあり、作業者の負担を軽減させる為にレバーまたはスイッチ操作を採用することもあります。

3-4. 水タンク

荷降しが完了した後にドラム、ホッパ、シュートを洗浄するための水を貯蔵するタンクです。

容量は通常200リットル程度が主流となっております。

3-5. レバー

ドラムの回転方向および回転速度を調整する操作レバーです。

車両前方に向けて倒すと正転(攪拌)し、後方へ倒すと逆転(排出)となります。

倒す角度が小さいとゆっくり回転し、大きく倒すことで回転が速くなります。

一杯まで倒しても攪拌速度や排出速度が足りない場合は、レバーを縦に動かすとエンジン回転が高まり、さらにドラム回転を速めることができます。

レバーは車両後部左右、ホッパ付近、および運転席にあります。

運転席のレバーは横方向の動きしかありませんが、回転速度が足りない場合はアクセルペダルを踏むことによってエンジン回転を高めてドラム回転を速めることが出来ます。

最近はレバー操作ではなくリモコン式を採用した車両もあります。

リモコン式の操作はダイアルの回し方によってエンジン回転を含めて自動的に制御する仕組みとなっています。

4. 内部構造

生コンクリートはドラムを走行中も停車中も常に回転し続けることで骨材や水の分離を防いで品質を均一に保っています。

生コンクリートは主にセメントと骨材(砂や砂利のこと)と水から製造されてますが、これらの材料は全て比重が違う為、例えば平ボディで運送すると走行中の振動などで比重の重い材料は底部へ沈み、逆に比重の軽い材料は上に浮き上がるという分離が起きてしまいます。

そのため、生コンクリート専用の運搬車であるミキサー車では、ドラムを回転させることでこれを防いでいます。

ドラム内部にはミキシングフレームと呼ばれる螺旋状のプレートがついており、これによって生コンを常にかき混ぜることで分離と凝固を防いでいます。

また、このミキシングフレームは排出の際にも効果を発揮する特殊な構造になっており、攪拌されたコンクリートがアルキメデスのポンプと呼ばれる原理によって効率的に押し出されて品質が損なわれないようになっています。

5. まとめ

ミキサー車で運ぶ生コンクリートの高品質を保つ目安は90分間という短い時間です。

生コンクリートを配車する際には工場、出荷日、工場の場所、出荷量、車種、打説量、往復時間、出荷開始時刻、休憩時間や輸送中の交通渋滞などさまざまな条件を考慮して計画しましょう。

新規CTA