モルタル壁の修理方法と汚れの落とし方

モルタル壁というと一昔前に建造された民家などに使用されていたイメージが強いかと思います。

しかし、実は近年でもその独特な温かみや意匠性、デザイン自由度の高さなどを気に入って採用する方も少なくありません。

そんなモルタル壁ですが、ひび割れや剥がれなどの劣化症状が現れたり、また発見はしたもののそのまま放置されたりしてしまいがちです。

 

ちょっと見ただけでは小さな劣化症状に思えるものであっても、そのひび割れや塗膜はがれの箇所から雨水が浸入し、雨漏り発生となってしまうケースもありますので、発見したときは決して放置せず補修を行うようにしましょう。

この記事では、お住まいのモルタル壁にひび割れや塗膜剥がれを発見した方に向けて、補修が必要な劣化症状の紹介、補修作業の流れなど、また壁面の汚れの落とし方についてご紹介します。

1. モルタル壁の種類を把握する

一言にモルタル壁と言っても、デザインや仕上げのパターンにいくつか種類があります。

まずは下記を参考にご自身のお住まいがどの種類なのか確認してみましょう。

リシン仕上げ

細かい粉状に砕いた石と合成樹脂や着色剤などを混ぜたものを吹き付けて仕上げる方法。

ざらざらな表面に仕上がります。

比較的汚れやすいと言われます。

スタッコ仕上げ

セメントモルタルなどの塗材を木片で叩いたり、特殊なコテで塗りつけたり、特殊なローラーで押さえて変化に富んだ模様に仕上げる方法。

セメントリシン材や合成樹脂エマルションと骨材を混ぜたものを吹き付けたりする方法もあります。

リシンを厚くしたような仕上がりで変化に富んだ凹凸模様が特徴。

リシンと同様に比較的汚れやすいと言われます。

吹き付けタイル仕上げ

塗料を吹き付けて表面に凸凹に仕上げる方法。

吹き放し仕上げとベッドカット仕上げがあり、塗り替えの際にはリシンやスタッコと比較すると施工しやすく使用する塗料も少なくなります。

ツルツルとした仕上がりで汚れにくく、水洗いも可能でひび割れもできにくいのが特徴。

左官仕上げ

コテを使って仕上げる方法。

左官職人の高度な技術がものをいうハンドメイド感のある仕上がりになる。

2. モルタル壁の劣化について

チョーキング

モルタル壁に触ると白い粉状のものが付着する状態。

塗膜表面の樹脂が紫外線や水にさらされ劣化し、成分が分解されることにより発生します。

遮断性の低下サインとなりますので塗装が必要になります。

ただし特別な補修工事などは必要ありません。

ヘアークラック

幅0.3㎜以下、深さ4㎜以下のひび割れ。

壁内部の腐食や鉄筋の錆びなどの心配はありません。

早急に対処する必要はありませんが、塗装を施す際には補修工事が必要となります。

構造クラック

幅0.3㎜以上、深さ4㎜以上のひび割れ。

この構造クラックから雨水などが浸入すると壁内部の腐食や鉄筋の錆び発生につながりますので補修が必要となります。

浮き、剥がれ

塗装が下地から浮いていたり、または剥がれている状態。

浮きや剥がれまで進行している場合は外壁を保護する機能がなくなっています。

3. モルタル壁の補修工事

まずは発見したモルタル壁の劣化症状に合わせて補修工事を行い、それから塗装を行います。

つまり補修工事とはモルタル壁の塗装を行う前の下準備作業のこととなります。

具体的には、ひび割れをコーキング材などで埋めたり、剥がれ部分を除去する作業のことになります。

この補修工事が十分にできていないと雨水が浸入したり、構造部分の腐食や鉄筋の錆びなどを起こしてしまう危険性もあるため、非常に大切な工程となります。

モルタル壁のひび割れは、施工後から徐々に硬化収縮することで発生します。

また、日本は地震が多い地域でもあるため、地震による負荷に対応しきれずひび割れが発生してしまうケースもあります。

自分で修理する場合

ヘアークラックなどの軽微な劣化症状の場合は自分で補修を行うことができます。

ただし構造クラックや浮き、剥がれの補修についてはDIYでの補修をおすすめしません。

自分でひび割れ補修を行う場合は材料や工具の用意が必要となります。

ヘアークラックの補修を行う場合であれば、塗料、コーキング材、刷毛、コーキングガンなど合わせても500~2,000円/m程度で施工可能です。

<1mm以下のひび割れ>

・準備するもの

防水材(住宅用浸透性防水剤スプレーなど)

・補修の流れ

①補修部分の汚れや油分を落とし乾燥させます。

②ひび割れとその周囲が濡れる程度に防水材スプレーを吹き付けます。

※ひび割れが広範囲に及ぶ場合には液体タイプを使用して刷毛で塗ることも可能です。

③防水材が完全に乾いたら塗装を行います。

<1mm以上のひび割れ>

・準備するもの

充填剤(アクリル系・変性シリコン系・樹脂セメント系水止め剤)

・補修の流れ

①補修部分の汚れや油分を落とし乾燥させます。

②ドライバーの先などでひび割れの中をさらい、破片などを取り除きます。

③充填剤をひび割れに塗りつけ、ヘラなどで伸ばし平たんになるまで均します。

④充填剤が完全に乾いたら塗装を行います。

ひび割れを自分で補修する場合は、コーキング材がなかなか定着しなかったり、綺麗に仕上がらないなどのデメリットが多いです。

剥がれの場合は、剥がれている箇所を除去してから下塗材を塗布するという工程が非常に難しく、剥がれた塗膜を十分に処理できていないと、補修後にまたすぐに再発してしまう恐れがあります。

ひび割れの補修や塗装は塗装業者で行ってもらえますので、ひび割れや剥がれを発見した場合は、まず近くの塗装業者に連絡し、劣化状況の診断や、適切な補修工事について教えてもらうと良いでしょう。

業者に修理を依頼する場合

構造クラックなど大規模な補修工事と塗装作業を業者に依頼する場合は、4,000~6,000円/mが相場と言われています。

部分的な補修を行うと他の外壁と色が合わなかったり違和感のある仕上りになるので、あえて全体的に塗装することもあり、部分補修よりも高額になることがあります。

4. モルタル壁の汚れを落とす方法

ブラシやスポンジを使った洗浄

比較的汚れの範囲が狭い場合はブラシやスポンジを使って汚れを落とすことができます。

ブラシ、ホース、バケツといった一般家庭で準備できるものを使用するので、最も手軽でコストもかからない方法となります。

高圧洗浄機を使った外壁の洗浄

ブラシやスポンジによる手作業だけでは落ちないような汚れを落としたい場合は、ケルヒャーなどに代表される高圧洗浄機を使って洗浄します。

範囲の広いしつこい汚れを落とす場合にもおすすめの方法です。

4. まとめ

モルタル壁には、その独特な温かみや意匠性、デザイン自由度の高さというメリットがありますが、ひび割れが発生するというデメリットもあります。

チョーキングやひび割れなどの劣化症状を発見したら、そろそろメンテナンス時期であるということを認識し、DIY補修や業者への状況調査、補修依頼を検討しましょう。