北海道建設新聞 2018年7月17日号

「舗装クラック自動治癒 會澤高圧コンクリート アスファルト特殊技術導入」

會澤高圧コンクリート(本社・苫小牧)は、次世代アスファルト舗装の研究開発を手掛けるオランダのデルフト工科大発ベンチャー「エピオン・アスファルトB.V.」と提携し、自己治癒型のアスファルト特殊舗装技術を導入する。アスファルト液材を封じ込めた「再活性カプセル」と「スティールファイバー」を一般的な舗装材に配合して自己治癒を促し、新たに導入するIH式補修装置を車両でけん引して高速再生する工法。2019年春の市場投入を目指す。

オランダベンチャーと提携

骨材同士を接着しているアスファルト材は、時間の経過とともに収縮し、荷重や紫外線などの外部環境の影響でクラックを拡大させる。

この工法は、あらかじめ舗装内に仕込んだ直径1~2ミリの再活性カプセルが、舗装表面に入った微細なクラックの収縮に伴ない破裂。中の再活性液が浸透することで、アスファルトの柔軟性と骨材を結束させる力を一定程度回復し、劣化のスピードを遅らせる。

さらに、舗装材の重量に対して10%程度のスティールファイバーを混入することで、スティールファイバー自体が骨材の沈み込みを防ぎ、劣化要因であるわだち掘れを抑制する効果も期待されている。

カプセルの自己治癒能力の低下に合わせ、車両けん引型の大型電磁誘導装置「インダクションビークル」で補修できる。路面に沿って走らせて非接触の電磁誘導加熱をすると、舗装内のスティールファイバーに渦電流が流れ、路面全体を一気に再生させることが可能。4年に1回程度の頻度で維持補修することにより、新品に近い状態を取り戻す。

初期コストは、一般的な舗装に比べて25%程度高くなる想定だが、オランダでの実験では、最大で寿命を2倍まで延ばせると見込んでいる。補修工事の大幅な生産性向上により、交通渋滞の緩和やメンテナンス周期の延長に伴なうライフサイクルコスト抑制が期待できる。

同社とエピオン社は17日に実施権契約を締結し、19年春の市場投入に向け、事業会社「Epion Japan(仮称)」を近く設立する方針。

今後は、日本の環境や施工条件に合わせて最適なカプセルなどの配合を検討し、エピオン社と日本市場に適したインダクションビークルの共同開発に取り組む。合わせて、同工法を応用したアスファルトパッチ材「I-Aid」を市場投入し、舗装と補修の両市場をカバーする狙いがある。

同社は、17年にオランダ・デルフト工科大のバイオベンチャー企業と提携し、微生物代謝機能を活用した自己治癒コンクリートの技術の国内投入も進めている。

アイザワ技術研究所の中村聖二主任研究員は「日本では工事の基準が細かく決められているが、逆にそれが技術の進歩を阻害する懸念がある。海外の技術を取り入れることで変化をもたらし、土木の考え方の自由度を上げられたら」と話している。

北海道建設新聞

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