苫小牧民報 2019年6月15日号

ドローン事業に参入
米国企業と共同開発

コンクリート製品製造の會澤高圧コンクリート(本社苫小牧市、會澤祥弘社長)は、2020年度をめどにドローン(小型無人飛行機)事業に本格参入する。今年4月に米国のベンチャー企業と提携を結んで新型ドローンの共同開発を始めており、8月からは農地や電線周辺で飛行実証実験を行う。将来的には機体の販売やインフラ整備に係る分野での事業化を目指す。人手不足が顕在化する中、業務効率化などにも活用できる取り組みとして注目を集めそうだ。

同社は老朽化問題が指摘されているインフラ施設の長寿命化を見据え、自己治癒コンクリートを開発。限られた従業員で効率的に保守点検を進めるため、遠隔地から補修作業ができる技術の確立を目指している。具体的には構造物への補修材塗布などの作業で、その現場対応に使用できる機材としてドローンを選択した。

開発しているのは、最大積載量が10kg以上で1時間超の航続飛行が可能な産業向けの機体。今年1月にハイブリッド電力システムを搭載する機体を考案した米国ボストンの航空宇宙ベンチャー企業「トップフライトテクノロジーズ」(TFT)と交渉をはじめ、4月に共同開発を進める契約を交わした。

一般的なドローンは飛行可能時間が15分ほどで、上空からの撮影や農薬散布などが主な用途。TFTの機体は飛行時間の長さに加え、AI(人工知能)による機体制御システムで悪天候でも安定飛行が可能という。

施設の保守業務以外に上空から撮影した画像を付加価値の高い地理情報として顧客に販売するサービスの展開も計画中。機体には4Kカメラや赤外線カメラ、レーザー照射で3D画像が作成できる機器などを搭載させ、複数のデータを調査できる機能も持たせている。

新型ドローンに係る開発費は2機の機体分も含めて約1億円。製造はTFTが米国で行い、日本に輸入後、ドローン認定教習所を運営するTEAD(群馬県高崎市)が機体の保守点検や国内の申請業務などを担う。

8月以降、送電線や鉄路周辺、水田などの上空で実証実験を行い、データを収集。検証や分析を重ねて20年に実用化させる計画。TFTも會澤高圧との提携を通じ、本格的な日本進出を目指す。年末までに新会社設立を含むビジネス展開の方向性をまとめる考えだ。

同社データ戦略室の嘉津山公一統括は「興味を持つ顧客は多い」とし、実用化によって人口減少社会の中でも「効率的な建物の維持につながる」と可能性の広がりに期待感を示している。

會澤社長は今後の見通しについて「来年から目視外飛行による自己治癒材のロボット施工を実用化したい」と抱負を述べた。

苫小牧民報 2019年6月15日号

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