セメント新聞 2018年7月23日号

「アスファルトも自己治癒 エピオン社と実施権契約 19年春から市場投入」

會澤高圧コンクリート(會澤祥弘社社長)は、次世代アスファルト舗装の研究開発を進めるデルフト大学(オランダ)のベンチャー企業であるエピオン・アスファルトB.V.と提携し、自己治癒型アスファルトの特殊舗装技術を日本に導入する。17日に同社と実施権契約を締結し、近く事業会社「エピオン・ジャパン(Epion Japan)」を設立。国内事情に合わせた技術に改良を加えた上で、来春をメドに市場に投入する。

自己治癒アスファルトとは、液状のアスファルト材を封じ込めた<再活性カプセル>と呼ばれる直径1~2mmの粒子とスチールファイバーを、通常の舗装材に追加配合して道路を舗装する新工法。舗装表面に微細なクラックが入ると<再活性カプセル>が割れて、中のアスファルト液などが染み出し、自ら傷を癒す。

さらに車両牽引型の電磁誘導装置・インダクションヴィークルを路面に沿って走らせると、舗装に埋め込んだスチールファイバーに渦電流が流れて材料を融解し、路面全体を一気に再生できる。

エピオン舗装の初期コストは、通常の舗装に比べて25%ほど高くなる見通しだが、オランダでの実験で寿命を最大2倍まで延ばせる見込みが立ったという。補修工事での交通渋滞を緩和するとともに、メンテナンス周期の延長により、維持コストを抑制できる。

また、同社はバクテリアの代謝機能を活用した自己治癒コンクリート技術の普及にも注力している。今後、コンクリートとアスファルト、両材料の自己治癒技術を融合した新たな商品開発にも取り組む考えだ。

セメント新聞

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