苫小牧民報 2017年5月20日号

「バクテリア活用の自己治癒コンクリ材普及へ オランダの大学と共同研究。国内独占販売契約を締結」

コンクリート製品製造の會澤高圧コンクリート(本社苫小牧市、會澤祥弘社長)は、バクテリアの力でコンクリートのひび割れを自動修復する画期的な技術の普及を目指している。オランダのデルフト工科大学が開発した新技術で、同社は、同大発ベンチャー企業が商品化した自己治癒コンクリート材の国内独占販売契約を締結し、今年夏以降に販売に乗り出す。同大との共同研究も進め、微生物活用の新たな技術開発に取り組む。

同大の研究チームが開発した自己治癒システムは、コンクリートと同じ成分の炭酸カルシウムを生成する特定のバクテリアの代謝活動を生かした技術だ。仕組み的にはバクテリアを休眠状態にして、餌の乳酸カルシウムと共に特殊なペット状のマイクロカプセル(直径1ミリ、長さ2ミリ)に封入し、コンクリート材に配合。コンクリートが劣化してひび割れが生じ、内部に水が侵入した際、カプセルも割れてバクテリアが一気に活動を始める。餌の乳酸カルシウムと酸素を取り込み、炭酸カルシウムを排出するバクテリアの代謝活動が、ひび割れを自然に修復させるという。

コンクリート材へのカプセル混入量によって、最大幅1ミリまでのひび割れに対応。カプセル内のバクテリアは休眠状態で200年生きるという。

同社によると、コンクリートのひび割れ対策は永遠のテーマだった。2015年に同大のヘンドリック・ヨンカース教授の研究チームによる自己治癒システムの技術開発を知り、16年4月に同大を訪問。自己治癒コンクリート材を商品化した同大発バイオベンチャー企業バジリスク・コンストラクティングBV(デルフト市)と今年春までに、日本での独占販売契約を結んだ。

商品は、噴霧などで施工する液体補修材、こて塗りの補修モルタル、コンクリート練り混ぜ時に混入するタイプの3種類の販売を予定。現在、東京の研究期間で性能試験を行っており、販売開始は夏以降となる見通しだ。

同社は今後、ヨンカース教授との共同研究を進めていき、自己治癒の新たな技術開発にも挑む。同社は「微生物を活用し“生きているコンクリート”を生み出し、コンクリートは冷たいというイメージを覆したい」と意欲を見せている。

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