苫小牧民報 2017年5月30日号

「ミャンマーに合弁会社 會澤高圧コンクリート ODA事業に参画 現地に工場建設 インフラ整備の製品など供給へ」

會澤高圧コンクリート(本社苫小牧市、會澤祥弘社長)はミャンマーに合弁会社を設立し、日本の政府開発援助(ODA)による幹線鉄道の路盤改修や、同国最大都市ヤンゴン南部の工業団地での港湾工事の事業に参画する。現地に工場を建設中で、6月中旬からコンクリート生産を開始する計画。同社が培ったコンクリート製造技術を生かし、同国の発展に寄与する。

合弁会社は「アイザワミャンマー」。同社の海外グループ会社アイザワコンクリートインターナショナル(シンガポール)、建材商社タイガーサプライ(ヤンゴン)、総合建設コンサルタントの復建調査設計(広島)の3社が計1億1000万円(日本円換算)を出資し、9日にヤンゴンで合弁会社設立の調印式を行った。国際協力機構(JICA)によるとODA事業への道内企業の参画は珍しいという。

ミャンマーは近年急速な経済成長を遂げている一方、港湾や電力など基礎的インフラの拡張や整備が喫緊の課題になっている。鉄道設備も老朽化し、旅客・貨物需要の高まりに対応した施設の近代化に迫られているという。

合弁会社は、ヤンゴン南部で日本企業が多く進出するティラワ工業団地の港湾整備で、コンクリート製の大型側溝を納入する計画。その後、ヤンゴンと首都ネピドー、商業都市マンダレーを結ぶ幹線鉄道(620キロ)の改修工事で、コンクリート製枕木や大型ボックスカルバート(箱型構造物)などを供給する予定だ。

ヤンゴン・マンダレー鉄道整備事業の総事業費は現在1127億円で、今後も増加する見通し。工期は14年から25年までの11年間。

合弁会社がヤンゴンで建設中のコンクリート工場では、インフラ整備で使用される製品の設計と製造を行う。今年度は約1万トンを生産する計画で、工場の従業員100人程度を雇用する考え。今後、日本のODA以外にミャンマー政府発注事業の受注などを目指していく。

會澤高圧コンクリートは、4年ほど前から合弁会社の設立に向けて準備を進めていた。會澤社長は「政治情勢の変化などがあり、ミャンマーの状況をリサーチしていた。パートナーに恵まれて3社が合意に至った」とし、「港湾や鉄道の整備はミャンマーにとって重要。日本のODA以外の事業も拡大させていきたい」と話している。

コンクリート製品製造道内大手の同社は、07年にベトナム・ホーチミンでODAによるサイゴン東西ハイウェー建設に携わった実績を持ち、海外の拠点はロシア、中国、モンゴルなど5ヶ所に展開している。

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