週刊ブロック通信 第2997号 2018年7月23日号

「自己治癒アスコン 蘭・エピオンと提携」

會澤高圧コンクリート(本社、苫小牧市若草町3-1-4、社長=會澤祥弘氏)は12日、次世代アスファルト舗装の研究開発を手掛けるオランダ・デルフト工科大学発のベンチャー、エピオン・アスファルトB.V.(以下エピオン、デルフト市)と提携し、自己治癒型アスファルトによる特殊舗装技術「エピオン舗装」を日本に導入すると発表した。自己治癒コンクリート「バジリスク」に続く同大学発の技術の導入により、コンクリートとアスファルトの維持補修分野で新たなビジネスを展開する。

エピオン舗装は液状のアスファルト材を封じ込めた直径1~2mmのアスファルト液剤の特殊カプセル「再活性カプセル」と、舗装材比10%程度のスチールファイバーを、通常の舗装材に追加配合して道路を舗装する新工法。アスファルト舗装は時間の経過と共に、荷重や紫外線等の影響を受けて骨材同士を接着しているアスファルト材が収縮し、ひび割れが拡大する。舗装表面の収縮で微細なクラックが入ると、「再活性カプセル」が割れてアスファルト材が染み出し、アスファルトの柔軟性と骨材を結束する力が回復し、自らひび割れの修復を行う。

さらに車両牽引型の電磁誘導装置「インダクションビークル」を路面に沿って走らせると、IHヒーターと同じ仕組みにより舗装に埋め込んであるスチールファイバーに渦電流が流れて材料が融解し、路面全体を一気に再生させることができる。また、スチールファイバー自体が骨材の沈み込みを防ぎ、劣化要因である轍掘れを抑制する効果も期待されている。通常の舗装に比べエピオン舗装の初期コストは25%程度上昇する見込みだが、同社ではオランダで行った実験から最大2倍まで舗装寿命を延ばす事が可能と見ている。補修工事の大幅な生産性向上による交通渋滞の緩和に加えて、舗装の長寿命化によるメンテナンス周期の延長を通じて、インフラ維持の社会的コスト削減にも寄与する。

同社は17日にエピオンと実施権契約を締結しており、近く事業会社「エピオンジャパン(仮称)」を設立する予定。国内事情に合わせた技術改良を加えた上で、来春を目途に市場投入する考えだ。

同社では道路の維持補修の生産性が格段に向上する技術として、全国の道路会社などに利用を働き掛けると共に、道路用コンクリート製品とエピオン舗装を組み合わせたコンポジット型商品等の開発も並行して進める方針。また日本市場に適したインダクションヴィークルの共同開発を進める一方、エピオン舗装技術を応用したアスファルトパッチ材「I-Aid」を市場に投入し、舗装と補修の両市場をカバーする考えだ。

同社は18日から20日まで、東京ビッグサイトで開催されたメンテナンス・レジリエンスTOKYO2018」に、自己治癒アスファルトと自己治癒コンクリート技術「バジリスク」を出展した。また同展の開催に合わせて来日したデルフト工科大学のエリック教授とヨンカース準教授が、出展者セミナーでエピオン舗装とバジリスクに関する講演を行った。

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