日本経済新聞 2019年5月28日号

ドローンで農地管理
インフラ維持進出見据え

コンクリート製品を手掛ける會澤高圧コンクリート(北海道苫小牧市)は小型無人飛行機ドローンを使った事業に乗り出す。米マサチューセッツ工科大学(MIT)発のスタートアップが開発したドローンを導入し、大規模な農地を管理できるサービスを2020年から始める。将来は道路や橋、送電線網といったインフラ維持にも領域を広げ、収益源を広げる。

同社は最新技術を取り入れるため、18年からMITの産学連携プログラムに参加し、この分野で注目を集めるトップ・フライト・テクノロジーズ(TFT)と提携した。

まずはTFTの長時間飛行できるドローンを7月に仕入れ、東神楽町の生産者のもとで作物の生育状況の確認や農薬散布に使えるか実証実験で確かめる。早ければ20年から大規模な農地を抱える生産者にサービスを提供する。

一般的なドローンはバッテリー駆動で飛行時間が15分程度と短い。TFT製はエンジンを搭載し、ガソリンを燃やして発電した電気をバッテリーで蓄電しながらモーターを動かす。エンジンの振動で安定した飛行を妨げないよう、機体の揺れを抑える工夫を施し、10キログラムの荷物を積んだまま1時間にわたって飛行を続けられる点が強みという。

以前から農業施設に必要な引き水施設用のコンクリ製品を作っており、新事業の対象に農業を選んだ。既存の販路を活用して農業分野でドローン技術を蓄積し、最終的にはインフラ維持分野に進出することを狙う。

現状のドローンでは道路や橋の現状を確認できても、修理や補修は作業員が現場に行く必要があった。重たい荷物を積めるTFT製であれば、作業ロボットを搭載してコンクリートを吹き付けるような作業ができる。作業員が現場に赴く必要がなくなり、人手不足やコストの削減にもつながる。

ドローン活用を巡っては、国土交通省は18年、人の目が届かない場所でも飛ばせるよう航空法に基づき飛行を認める基準を改めた。19年度からはトンネルや橋などインフラの定期点検でも目視の要件を緩めるなど、ドローン活用を後押しする環境が整いつつある。調査会社インプレスによると、18年度に931億円だった国内ドローン市場は、24年度には5073億円に拡大する。そのうち、3568億円はドローンを使ったサービスが占める見込みだ。

日本経済新聞 2019年5月28日号

記事はこちらからご覧ください「20190528 日本経済新聞