北海道新聞 2019年7月3日号
會澤高圧ドローン事業参入
来年度から農業向けデータ収集・分析【苫小牧】コンクリート製品製造道内大手の會澤高圧コンクリート(苫小牧)は、農業向けの小型無人機ドローン事業に参入する。2020年度から農作物の生育状況の確認や関連データの収集・分析のほか、用水路などの点検業務を始める予定。将来的には橋や道路などインフラ向けの利用も想定しており、経営を支える事業の一つに育てる計画だ。(山田一輝)
1時間飛ぶ機体米企業と開発
米マサチューセッツ工科大発のベンチャー企業で、ボストンに拠点を置く「トップフライトテクノロジーズ」と今年4月に共同開発の契約を締結。重さ10キロの荷物を積んだ状態で1時間飛行でき、風速15メートルの強風にも耐えられるドローンの開発に成功した。日本建築ドローン協会(東京)によると、一般的なドローンの飛行時間は15分程度で、1時間の飛行が可能なタイプは国内では珍しいという。
會澤高圧コンクリートは8月から、開発したドローンを使い上川管内東神楽町でコメの生育状況を確認する試験を始める。目視に比べ広い農地でも短時間で正確に確認できるため、収量の的確な把握など作業の効率化が期待できるという。
ドローンに搭載した赤外線カメラで用水路を撮影し、人工知能(AI)でひび割れの有無などを解析する試験もあわせて実施。道内の各土地改良区などにも協力を依頼し、データ収集と分析を重ねて精度を高めた上で実用化に踏み切る運びだ。料金を含めた事業の詳細は今後詰める。
また、ひび割れなどを補修する噴霧式のコンクリート補修材を搭載したドローンの開発に近く着手する。同社の會澤祥弘社長は「来年の実用化を目指したい」と話している。
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