北海道新聞 2018年7月18日号

「道路のひび自動修復 新型アスファルト来春販売へ」

【苫小牧】コンクリート製品製造大手の會澤高圧コンクリート(苫小牧)は、道路にできるひび割れを自然に修復する新技術を用いたアスファルトの販売を来春にも始める。オランダの大学ベンチャーが開発した技術で、道路の維持コスト低減につながるとして需要を見込んでいる。

新技術の名称は「自己治癒型アスファルト」。液状のアスファルトを封じ込めた特殊なカプセル(直径1~2ミリ)を通常のアスファルトに多数仕込む。道路にひびが入るとカプセルが割れ、液状のアスファルトが流れ出てひびを修復する。

専用の電磁誘導装置を使うとアスファルト全体やカプセルが溶解して、新品のアスファルトに近い状態にすることができる。材料価格は従来より25%ほど高いが耐久期間は倍になるという。

同社は17日、開発したオランダ・デルフト工科大のベンチャー企業「エピオン・アスファルト」と、日本で独占販売できる契約を締結した。今後、エピオン社と共同で日本の道路工法に合わせて改良し、道内外の舗装工事での採用を目指す方針だ。

會澤祥弘社長は「公共事業費の抑制が求められる時代の中、材料や工法の面から持続可能なコスト減を提案したい」と話した。

(蒲生美緒)

北海道新聞

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